誰でもテロに関わる可能性がある? テロリストが作られる背景と経緯から見た「テロ倫理」

更新日:2011/9/12

世界テロリズム・マップ 憎しみの連鎖を断ち切るには

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 平凡社
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:時事通信外信部編 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

「テロ」と聞いて最初に思い浮かぶのは2001年の「9.11」アメリカの同時多発テロだと思います。これをきっかけに世界的にテロに対する緊張感と関心が高まりましたが、テロの背景や、テロ組織のことなどは、表面的なことしか分かっていないような気がします。
  
それじゃいけないんじゃないの? そう思って手に取った1冊です。

advertisement

本書では、どのようにテロリストたちが生まれたのか、政治的、宗教的背景からテロリストの倫理観、テロリストになるまでの経緯などを深く取材しています。
  
ウサマ・ビン・ラディンを過激な宗教思想へと導いた人物のくだりでは、「異教徒・不信仰者の侵略からイスラム教徒の土地を守る」というのが信者の義務だという考えに深くはまり込んだ経緯、反米過激思想を吹き込まれたといった過程が書かれています。
  
また、1972年にイスラエルの玄関口と言われるロッド空港(現ゲングリオン空港)で起きた、日本の赤軍派メンバー岡本公三についても取り上げています。パレスチナ解放人民戦線(PFLP)から軍事訓練を受けた赤軍派の3人の日本人が実行したものですが、最初から死ぬことを覚悟した特攻攻撃として「カミカゼ・テロ」と、言われたそうです。さらに衝撃だったのは、このテロが史上初めての無差別自爆テロだったという記述です。
  
全部で18ケースのテロリストやテロ組織を取り上げていますが、元々は過激派や、独裁的でなかったりするケースがほとんどでした。日本人にはテロも戦争も関係ないなんて思っている人も多いかも知れませんが、そんな無関心がいつまでもテロも戦争もなくならない原因になっているんじゃないかと考える本でした。是非読んでみてください!

目次ページには何の印もないのですが、各章のタイトルをダブルタップすると、そのページに行きますか? の案内が出てきます

画面下部分をタップすると、設定ができる画面に飛びます。その時に中央右部分にある総ページ数と現時点のページ数部分をタップするとページ選択ができるようになります。タイトル部分でないページに行きたいときに便利です

本書で取り上げているテロの世界マップです。このページはしおりにしておくと、読んでいる内容とマップが比較できてよかったです

画面中央を長押しすると現れます。しおり機能以外にも回転防止機能も便利でした。横になって読んでいると、すぐに画面が回転するので… (C)杉山文彦・時事通信外信部/平凡社