違法出版界の濃すぎる面々と、80年代のサブカルチャーを回想した、青春ルポルタージュの傑作!
公開日:2011/9/4
裏本時代
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : 飛鳥新社 |
ジャンル:ビジネス・社会・経済 | 購入元:eBookJapan |
著者名:本橋信宏 | 価格:420円 |
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〈裏本〉とは、無修正の成人向け写真集のこと。
本書は竹中労に憧れてルポライターの世界に飛び込んだ20代の著者が、ひょんなことから垣間見ることになったポルノ業界の裏側を、あざやかに描き出したルポルタージュの傑作です。
硬派なルポを手がけたいと思いつつ週刊誌のフリー記者をしていた著者の前に、ある日、旧知の先輩ライターが現れます。
「口の固いカメラマンを紹介して欲しい」、という彼は、台湾で裏本を制作するという計画をもっていました。知られざる非合法出版の世界に興味を抱いた著者は、やがて日本最大の裏本チェーン「北大神田書店」の会長に紹介されます。
「ゴージャスですね」「ナイスですね」といった口調が独特のこの人物こそ、後年AV監督・村西とおるとして知られることになる、アンダーグラウンドの伝説的存在でした。この日をきっかけに、著者の波瀾万丈の20代が幕を開けます――。
本書は裏世界に生きる人びとの姿を通して、80年代初頭の社会や文化をまざまざと蘇らせた、スリルとサスペンスに満ちた一冊です。パンチパーマの山田さん、危ないクスリが大好きなライターなど「濃すぎる」人たちに囲まれながら、自らの生き方に迷い、戸惑う著者のありようが、作品をより味わい深いものにしています。やりたいことと、現実との間で揺れ動く著者の姿は、きっと多くの読者に共感できるものでしょう。
何かを始めたいのになかなか第一歩が踏み出せない。そんな時に読み返したくなる、ビターで熱い青春の記録です。
扉ページより。装画を手がけているのは村上春樹作品でもお馴染み、イラストレーターの安西水丸氏
「はじめに」より。80年代初頭のアンダーグラウンドビジネスの実態を、著者の体験をもとに綴っています
「はじめに」のつづき。著者が編集長を務めた写真週刊誌『スクランブル』についても詳しく述べられています
夏目、川端、森…。裏社会の住人たちは、お互いに文豪の名で呼び合っていた
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