恋愛に悩んだ経験のある女性なら共感度100%。甘い幻想をはいで真髄をつくカクタ節にジ~ン!

小説・エッセイ

2011/1/8

今、何してる?

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 朝日新聞出版
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:角田光代 価格:540円

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さすが、直木賞作家。 たぶん、肩の力を抜いてさらりと描いた恋愛観が、オトコという種族の洞察になっている。

「ふつう」をモットーとする著者が「珍妙な恋愛をしつつ、読んだ本の珍妙な感想をつぶやきつつ、ごくふつうにすぎていく日々をつづったエッセイ」である。最初の「恋愛プリズム」の章では、「相性」「錯覚」「料理」「悪人」といった単語を切り口に、自身の体験を織り交ぜながら恋愛の甘い皮をはいで、真髄をつく。

たとえば「言葉」。男のある部分がどうしようもなく好き、あるいはどうしても好きになれないことはよくある。指の形だったり、声だったり、うなじの毛の濃さだったり。そんなもののなかに、言葉もまた含まれていると著者は言う。かつての恋人との交際を振り返ると、「彼といるときだけなぜか異様に怒りっぽくなる自分」がいた。後にはたと気づく。「私は彼の言葉、彼との会話がどうしても、好きになれなかったらしい」と。この辺の微妙なニュアンスは、要約すると伝えきれないので、ぜひ読んでほしい。何度かうまくいかない恋を繰り返した女性なら、ワカル、ワカル、とうなづくはずだ。

後半は「本と一緒に歩くのだ」と称して、毎回、互いに何の関係もない2冊を取り上げて、そこに共通する著者の思いを軽いスケッチさながらに描く。彼女のお薦め本の紹介として読んでもいいかも。どれも一編が短くて、10分もあれば読めてしまうから、電車などでのiPhone読書にぴったり! 30代の恋愛中、あるいは失恋後の女性におすすめ。恋愛観に渋みが増すかもよ。

最初の章は「恋愛プリズム」。様々な単語を切り口に、自身の経験や見聞から、著者の恋愛観を軽妙に描き出している

「旅と本の日々」の章では、著者の旅や本にまつわる思い出が書かれている。忌野清志郎詩集との出会いが印象深い。著者の旅のスタイルもかいま見えて興味深い

「本と一緒に歩くのだ」と称した章では、2冊の本を取り上げ、著者の経験や想いとからめて、ひとつのテーマに結びつけている。おもしろい手法だとは思うけれど、すごく成功しているとは言い難いかな