エロいのにエロくないという不思議。志村貴子の短編集はクセになる

更新日:2012/4/12

どうにかなる日々 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:志村貴子 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

1月13日からはフジテレビ「ノイタミナ」枠にて『放浪息子』の放送がスタート。連載中の百合系純愛マンガ『青い花』も絶好調の志村貴子ですが、初期の短篇集にも“乾性のエロさ”ともいうべき彼女独特の味わいがあります。

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居酒屋でたまたま隣り合った男と、スルッと寝てしまう人妻。
万引き常習犯の弱気な少年は、家に帰れば妹と絶賛近親相姦中。
恋人らしき男と同居中なのに、なぜかお見合い結婚をしようとする女。
自分とそっくりな双子の兄に、ホモだとカミングアウトされて悶々とする高校生。

近親相姦、同性愛(百合もBLも)、さらには幽霊ネタまで。やっぱりタブー? それともギリギリふつう? 何が常識で何が非常識なのか、ふっとわからなくなってしまう不思議。微妙な境界線をふらふら行き来する人々のアンバランスな魅力。セックスの汗すらもサラリと乾いて見えるシンプルな線。初期の短編にもそんな志村貴子の持ち味が存分に発揮されています。

長年、彼女のファンである私は、紙の本でほとんどの志村作品を読んできました。で、今回初めてiPhoneで読んでみたのですが、これが意外に相性がよくてびっくり。余白が大きく活かされ、コマ割りもシンプル、セリフも簡潔な志村ワールドは、iPhoneの画面でも難なく読みてしまうのでぜひお試しあれ。

居酒屋でたまたま隣り合った女に、「おっぱいは大きい方が好き?」って聞かれたらどうしますか

「ええっ!?」っていう展開もサラッとしたコマ割りで見せます

同居中の男がいるのにお見合いする女。果たしてそのココロは…

そっくりな双子の兄弟。でも片方はホモで、もう片方は…? (C)志村貴子/太田出版