胡散臭い保守的思想ではなく、理論的でクールな人生訓

2014/8/9

良妻賢母 ― 女が幸せになるヒント

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : PHP研究所
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:池内ひろ美 価格:650円

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 良妻賢母と銘打つくらいだから前時代的というか、最近だと親学とか、ああいうたぐいのクセの強い思想本かと用心して読み進めました。しかしこの本の感想をひとことで表すならば、「クール」です。したたかな生き方のススメと言い換えてもいい。

 ネット書店のコメント欄などを見ると、「おおむね納得できるけど、浮気まで受け入れるなんて無理」という書き込みが目に入るのですが、ちゃんと読めば誰も「浮気を見逃せ」とか「我慢しろ」などと書いていないことはすぐにわかります。起きてしまったことをこじらせない。スマートに解決に持っていくための技術として、不用意に責め立てたりしないようにと忠告しているに過ぎません。また、全編にわたって繰り返し訴えているのは「そもそも浮気が起きない状態にしておくための技術」です。

 前書きで、著者は夫婦・家族問題コンサルタントとして活動してきた経験を踏まえ、具体的なエピソードを挙げながら、家庭をうまく回していく技術を説くぞと予告しています。そして、家族というものを研究したことのある方ならわかると思いますが、パートナー選び、結婚・世帯の誕生、出産などライフイベントで区切りつつ、それぞれの局面で起きうる問題を取り上げ、上手な対処の仕方を開陳していくというスタイルです。

 ゼクシィの特集ではないので、「結婚って素晴らしい」とか「ゴールするためのテクニック」とか、そういう局所にこだわったものではなく、新婚から子育て、子離れ、伴侶との死別まできちんと書いています。

 ただ、憶測で適当に書いている本ではないので、モデルとして採用される夫婦像は少々古いです。サラリーマンと専業主婦の核家族という、高度成長期に誕生した家庭がモデルの中心にあるのは、著者がコンサルタントとして数多くの実例を見てきたからでしょう。しかし、未婚化が進んだとはいえ、まだ半分よりは多い人が一度は結婚する社会です。3組に1組といわれる離婚カップルとならないように、先人に学ぶことは価値があると思います。


まえがきより。良妻賢母は決して男尊女卑の悪習ではないことを説く

「夫から愛され」というのは、「それだけが幸せじゃない!」という抵抗もありそうですが…

条件を見る限り、良妻賢母とは「他人と上手くやっていける人」ということのようです

恋愛して結婚して、はいゴール! では終わらない。ちゃんとその後についても書いてある