音楽と生命の本質はこんなにも似ている!? ――脳科学者が音楽の魅力を語る

小説・エッセイ

更新日:2012/3/2

すべては音楽から生まれる

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : PHP研究所
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:茂木健一郎 価格:650円

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すばらしい音楽、演奏に出会ったとき、なんとも不思議な感覚にとらわれる、そんな経験が誰でも一度や二度あるのでは?

その瞬間、我々の心の中では、どのような変化が起きているのだろうか?

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音楽の中で微笑む「なにか」のクオリアによって、音楽が始まる前には全く存在しなかった感情や情動が<私>の中に生まれるということだけは、わかる。これが、音楽の魅力であり、すごさだと思う。

――クラシック音楽愛好家として知られる、脳科学者・茂木健一郎氏は、本書でその瞬間をこのように表し、音楽の持つ、底知れぬ力に思いをめぐらす。

幼少の頃からクラシック音楽の魅力にとりつかれ、親しんできた茂木氏。本書では、シューベルトやワーグナーの作品を通して音楽の本質について考察し、音楽と生命の本質の類似性について、脳科学の観点から分析を加える。

複雑なネットワークが構築された脳内の現象を「シンフォニー」になぞらえ、音楽を聴く時、「内なるシンフォニー」と「外から来るシンフォニー」のすばらしい出会いが果たされるという。そして、脳の中のシンフォニーが生み出した意識により、我々は思考したり、文章を書いたり、さまざまなことを行っているとする。

内容は平易で読みやすく、読み終わった頃には、「音楽ってやっぱりいいなぁ」と音楽のすばらしさを再認識。「人生のすべてが音楽である」という気づきを持つことが、生きていく上で大事なのだ。――と言う茂木氏のメッセージに同感。そのような感覚を持ちながら、毎日を過ごしてみたいと考えた。

全5章からなり、5章には、「ラ・フォル・ジュルネ」(日本では2005年に東京国際フォーラムで初開催)の芸術監督、ルネ・マルタン氏との対談を収録。巻末には、CD・DVDガイドがついている

シューベルトの交響曲第八番<未完成>の名演が、茂木氏に「内なる楽器の存在」を教えてくれたという