恋を勝ち取るには、ひたむきなだけじゃダメなんだ

更新日:2011/9/6

先輩と彼女 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:南波あつこ 価格:432円

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高校に入学したばかりの都築りか。中学のときとは違う空気に胸をときめかせ、入りたい部活を見つけて、できれば甘い恋もしたい…と思っていた。でも、好きになったのは、つらい片思いをしている2コ上の先輩。実際にりかが体験したのは、苦い、苦い恋。
  
中学から高校にあがったときって妙に大人になった気分になりませんか?

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急に子供から大人になれた! …というような。大して違わない、ということは、ずいぶんと年を重ねてから分かるものなんですよね。うんうん。
  
そして、高校1年生のときって、3年生の男の先輩が大人で落ち着いていてカッコよく見えませんか?
  
「恋したい!」という気持ちが高まっていると余計に。
  
りかが好きになった「みの先輩」もカッコイイし、優しい。でも、みの先輩には好きな人がいる。その人は、美人で頭が良くて、素敵な先輩。自分が勝てるところなんて、若さしかない(こういうふうに言えちゃうところがまた若い)。でも、まだ大丈夫。ちょっと恋してみたかっただけ。別に本気で好きになったわけじゃないから、みの先輩のことなんて諦められる…。そう思っていたのとは裏腹に、どんどん、惹かれていく。
  
別に実体験がなくても、この気持ちの感覚、「あああぁ! 分かる!!」と思ってしまう女子は多いのではないのでしょうか。こういう場合、恋をしているヒロインのほうは、ひたむきでただかわいいだけで終わることが多いんだけど、りかちゃんは自分の感情をあらわにする。自分の欲しいものをいとも簡単に手にしてしまえそうな恋のライバルに対して、「むかつく」って思っちゃうし、「手出さないで」って言っちゃう。そういう隠したくなってしまいがちな感情もむき出しになっているから、更に共感ができるのかもしれない。それに、本当に「大人」になっちゃうと、そういう気持ちと行動がイコールになりづらいので、いろんな意味で「あのころ」の甘酸っぱさを思い出せる。
  
それにしても、片思いの異性に好きな人がいる場合って、どうして自分とは正反対のタイプが多いんでしょうか。作品の中だけではなく、現実でも。 告白する前からフラれたような気分になる…。
  
もちろん、そんな苦さも、作中でしっかりと味わえます。

高校に入ったばかりのころって何もかも新鮮…

このセリフ、全国で何万人が「分かる!!」と身悶えることか

高1にして修羅場体験 (C)南波あつこ/講談社