会社にいるうちがチャンス! 辞める前にしておくべきこととは?

公開日:2014/9/4

「いまの会社、辞めようかな」と思ったら準備しておく24のこと (中経出版)

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA 中経出版
ジャンル: 購入元:Kindleストア
著者名:平秀信 価格:※ストアでご確認ください

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 日曜日の夜のTwitterは「会社やめたい」「仕事したくない」というツイートで真っ黒に埋め尽くされている。愚痴で世間が大気汚染されているようにさえ見える。全世界に向かってそんなことを言う度胸があるのなら、「さっさとやめてしまえば良いのでは?」と思うのだが、いざやめるにしても、その先どうするのか、しっかりと準備をしなければ、仕事を変えたところで現在の二の舞になりそうだ。今の会社で役に立たない人間が次の会社で役に立つなどということは幻想に過ぎない。窓際族は心を入れ替えない限り、永遠窓際族。会社を辞めるにせよ、働き続けるにせよ、仕事との向き合い方を今一度考える必要があるのではないだろうか。

 情報起業家の平秀信氏著『「いまの会社、辞めようかな」と思ったら準備しておく24のこと』では、仕事との根本的な向き合い方について述べられている。彼は、会社をやめたいと考えている場合、すぐに会社をやめない方が成功し、自由に生きられる可能性が高いことを示唆している。平氏は、単に起業や転職を勧めるわけではなく、能動的に働くことを読者に勧める。能動的に働くことができれば、「仕事がイヤだ」などと思うことなく、毎日前向きに過ごせそうだ。

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 平氏は、「サラリーマン生活には成功するチャンスがあふれている」と語っている。実際に普通のサラリーマンだったという平氏は会社にいるうちにチャンスを掴んでいたため、起業した後に、数年間で数億円のお金を手にすることができた。多くの人はその月の給料のためだけに毎日同じ仕事を我慢してやっていることだろうが、その我慢してやっている仕事がお金に換わることがある。平氏曰く、やり方や考え方によっては、自らの経験をお金に換えることは簡単なことだという。

 会社をやめる前に知っておくべきことは、会社をやめたら、会社での経験値で生きていかなくてはならないということだ。だから、会社を辞める場合、サラリーマン時代に身につけた知識や経験を活かせる場を見つけることが一番うまくいく。実際、今の仕事がイヤで会社を辞めたり、貧乏でもいいから趣味を仕事にしたいと思って起業してもなかなかうまくいかないものだ。だから、今いる会社で知識を得て、経験を積むことは、成功の近道といえる。サラリーマンとして安定した暮らしをするにしても、会社を出るにしても、大切なのは、今の目の前の仕事と向き合うこと。平氏は、「会社をやめても生き残れる準備ができたかを自分自身に1年間は問い続けてほしい」と仕事をやめようとしているすべての人に助言を与えている。特に起業する志のある者は、会社という守られた場所にいる間に、稼ぎの種を見つけておく必要がある。サラリーマン時代はいくら失敗しても、人生が狂うことはない。人がやりたがらない難しい仕事に取り組んで、様々な失敗を経験することこそが大切なのだ。そして、人脈も構築し、自らのファンとなるような客を会社にいるうちから見つけておけば、起業した後も、安泰だ。会社で過ごす時間を無意味だと思ってはいけない。失敗しても許される練習の機会だと思って臨めば、会社での時間は1分も無駄に出来ない貴重な時間だといえる。

 景気がなかなか回復しない現代は、誰もが「会社に残るか、やめるべきか」この選択を迫られている時代である。だが、行き当たりばったりで、会社をやめるのではなく、きっちりと後々のビジョンを考えた上で準備をする必要があるだろう。どうせだったら、会社から引き止められる程の成果を挙げてから転職するのが理想的だ。「会社やめたい」と嘆く時間があったら、「やめても生き残れる」ための準備に時間を割こう。会社をやめたいと思っている人にも、仕事になんだか身が入らない人にも、仕事との向き合い方を見つめ直すよう、喝をいれてくれる1冊。


会社をやめると良いことだらけ。でも、すぐにやめるのはダメ

サラリーマンは何の責任も取る必要がない。良い練習の場だ

自分の仕事は他の人にでもできるものだろうか

人脈を作るにしても、工夫が必要