直感的に捉えられる違和感や、細部より全体を俯瞰することの大切さを説く

2011/8/8

人を見抜く技術

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 講談社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:桜井章一 価格:756円

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「雀鬼会」という麻雀道場を主宰している著者は、「全体を被写体として俯瞰して捉え、その中のどこに違和感があるのかを感じるようにしている」という。すると、会場の隅で雀卓を見ているだけで、各卓の流れを全体として捉えることができるそうだ。麻雀をしている時の肩から指先にかけての動きや、その人の癖によって勝負の先が読めてしまったりもする。

ところが、テレビや麻雀のDVD制作のために、一部だけ切り取られた画面を見ているだけでは、何が起きているまったくわからないという。
  
その言葉は示唆的だ。今の時代は、情報はあふれているし、仕事はどんどん専門的に、狭く深くなる傾向にある。そのため、私たちは細部には詳しく、敏感だが、物事が全体としてどうなっているのか、俯瞰できる力が弱まってきているような気がする。しかも、このことに対してあまり危機感を持っていないのではないだろうか。
  
この本では、著者が麻雀で培った洞察力で、人の動き、癖、格好などの外見的なことから何を読み取るか、また、そこから現代人が抱えている問題にまで話を進めていく。ただ、その部分はよくある現代人批評のようなものとかぶる部分も多い。著者は「はじめに」で、「絶え間なく変化していく物事に対応できる柔軟な観察力を磨いていってほしい」と述べているが、この本のタイトルと本の目次からは、人のタイプを見抜くためのマニュアル本のようで、その意図は伝わりにくいような気がした。

親指が外側にそる人は間接の柔らかい人といういいイメージを持っていたが、そうでもないらしい。あなたの親指は?

いるいるこういう癖のある人、こういう歩き方する人、と思いながら読みつつ、ふと、自分は大丈夫だろうかと振り返る

他人ではなく、自分を俯瞰するつもりで読んでみるといいかもしれない