アラフォー男は自己満精神を磨いて男となる

公開日:2014/9/12

じこまん 1

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 日本文芸社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:玉井雪雄 価格:432円

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 男は30歳を越えて、それこそ「いい年」と呼ばれるアラフォーにも近づくと、“打ち込める何か”を一つは持っていたいもの。それは、たとえ結果がまずまずの自己満足の世界でもいい。自分の美学を体現し、一生の友にできるナニカ。自転車ロードレース漫画『かもめ☆チャンス』の著者が、アラフォーメタボ男だったときに出会った自転車(ロードバイク)を題材に、自己満的生き方を強烈にプッシュするいわば指南書が、本書『じこまん』です。

 私自身アラフォーの気配を感じるビミョーな時期に本書へ興味を持ったのは、必然か運命か。周囲でもトレランや自転車にハマる人たちが急増するなかで、ロードバイクを熱く語る著者に「アニキ〜」と慕いたくなるくらいの親近感を抱くと共に、ロードバイクへの興味がみるみる高まりました。

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 四十路を前に、仕事に追われて体が肥え衰えていく現実。しかし、男として新しい何かをまだ切り開きたい意欲は鳴門の渦潮のように躍動しており、悶々とする毎日。多くの同世代が多かれ少なかれ抱いているであろう著者のこんな境遇に、読者が「自分も」と心寄せてしまうのはトウゼンのことといえましょう。かろうじて持っていたクロスバイクを駆って、突然、房総半島1周の旅に出てしまうのも、「わかるわかる」とうなずいてしまいたくなります。ロードバイクで風になる開放感、それに伴う危険、そしてパーツの購入やメンテナンスなどの費用面やお勧めロードまで、著者が歩んできた道を惜しげも無く披露しつつ、詳しく解説してくれます。

 ぜい肉を落とし、男を磨いていく過程を読者は追体験する中で、「ロードバイク、アリ!」と受け入れるまでには、この1冊で十分。2巻以降に手を伸ばすときには、“打ち込める何か”の種がすでに宿りつつあるハズ。


著者が生きる自己満世界は自転車

ロードで得られる多幸感のイメージ!

自転車の選び方とは…その他、諸々が詳しく解説されている