ネット中毒、オタクになる原因はこれ? 「生きづらさ」の正体とは

自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体

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著者名:本田秀夫 価格:648円

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 「空気を読め」と言われても、透明で見えない。「人の顔色を伺え」と言われても、どの者も大差ない顔色。相手が変われば、態度を変えなくてはならないとか、時と場合によって応対を変えねばならないだなんて、こんなにも難しいことはない。にも関わらず、人とのコミュニケーションが少し苦手な人を「コミュニケーション障害」と嘲笑う心ない声は多く聞かれる。そう言われても、どうも上手くいかないのだ。生きづらく、ストレスを抱えやすいのだ。そんな人こそが読むべき本がある。

 精神科医・本田秀夫氏著『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』は、広く一般の人たちに「自閉症スペクトラム」についての理解を促進するべく書かれた1冊だ。「自閉症スペクトラム」とは、「臨機応変的な対人関係が苦手で、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強い傾向」のこと。これまでの精神科では「発達障害」ばかりを扱っていたが、世界中の精神科医が共通の物差しとして使っている国際的な診断分類『精神障害の診断・統計マニュアル』の最新版(DSM-5)では、その予備軍にも目を向けている。「自閉症スペクトラム」という概念には、普通の日常生活を送っているが、日々ストレスを抱えている「予備軍」から、典型的な「自閉症」、「アスペルガー症候群」患者まで幅広い人を含めたグループをいう。本田氏によれば、この傾向を持つ者の割合は全人口の10%近くも存在。これまでの発達障害に対する認識が大きく転換されるのではないかといわれているという。

 たとえば、アナタ自身、こんな特徴を持っていないだろうか。

 Aさんは36歳男性。大学の工学部を卒業して、電機メーカーに就職した。真面目な性格で与えられた仕事は期日までにきちんとこなす。人づきあいはあまり得意ではないと自分では思っているが、会社の同僚に誘われれば、飲みにいくことは苦ではない。酔うと雄弁になるが、話が理屈っぽいため、女性社員から敬遠されがちだが、本人は気づいていない様子。学生時代からオーディオマニアで、特定のオーディオ雑誌を20年間欠かさず購読し、1冊も捨てることなく大事に保管している。

 本田氏はこのようなタイプの人を「自閉症スペクトラム」の傾向を持つ人だと述べている。「自閉症スペクトラム」の人は、一見すると人なつっこくて積極的に人に関わりを求めるが、その関わり方がワンパターンで一方的。相手の反応に無頓着である場合が多い。顔と顔を付き合わせた人付き合いよりも臨機応変に調整するインターネットなどによるコミュニケーションのほうが得意である場合も多いようだ。一方で、「こだわり」がとても強い。好きな領域に関する機械的記憶に優れて、「◯◯博士」と呼ばれるほどになる場合も多い。成長するとともに、興味のある領域に関するマニアックな知識を身に付け、いわゆる「オタク」などと呼ばれるようになることもある。どうしても一番になりたいとこだわりを持つ者もおり、人との会話を遮り、いつも自分の自慢話が出てしまう特徴を持つ者もいる。

 「自閉症スペクトラム」は、特性であって、障害になる人とならない人がいる。自分がどういう傾向があるかどうか理解することが人とのコミュニケーションを成功させるための第一歩。別に自分は変わっていないのだ、こういう傾向の人はいるのだ。この本を読んで、自分のストレスの原因、いなし方を学べば、今まで人間関係で感じていた違和感がスッと晴れていく。少しでも生活しやすい人生を歩むために必読の1冊。


自閉症スペクトラムの中には普通に社会生活を営むものも多い

当人は強いストレスや疎外感を味わうことも少なくない

「言わずもがな」でわかるはず、と思われてしまうので、注意もされにくく、いじめなどの二次的な問題が起きやすい

診断がつくことと病気であることは別物



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