引きこもりでもできる! TOEIC得点アップの英語勉強術とは?

更新日:2014/9/26

中学・高校で習った英語の基本を5時間でやり直す本 ― イングリッシュ・モンスター式

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : PHP研究所
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:菊池健彦 価格:540円

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 「アイマイミー」「ヒーヒズヒム」「シーハーハー」と唱え続けたところで、ダラダラの継続は力にはならなかった。少なくとも中高合わせて6年間は英語と向き合ったはずだが、あの日々に何の意味があったのだろう。どうしてこんなにも英語ができないのか。会社員となり仕事で必要になって慌てて勉強し始めても、後の祭りなのか。どうも英語が上達しないと悩む者も少なくはない。

 『イングリッシュ・モンスター式 中学・高校で習った英語の基本を5時間でやり直す本』には、英語力アップの極意が記されている。海外経験ゼロだが、TOEICで満点を30回も出したことがあるという著者・菊池健彦氏の経歴はあまりにも波瀾万丈だ。大学卒業後、コネで営業マンになるも、ひどい時はノルマの3分の1も達成できないありさまで34歳で退社。その後の展望など何もなく、6畳一間のアパートに引きこもり続けた彼は、1年が経ったある日、「何もしないこと」に飽きて、暇つぶしに英語の勉強を開始。6年間引きこもりながら学習しているうちに、TOEIC満点の英語力を身につけることに成功したのだという。

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 現在は、TOEIC講師として活躍している彼に言わせれば、英語を始める時期に遅いも早いもない。誰でもTOEIC600点は簡単にとれるし、コツコツやれば900点も夢ではない。とはいえ、最初の第一歩でつまずいてしまうために英語の勉強がイヤになってしまう者が多いのだという。

 「忘れて当たり前と思おう」「三日坊主を繰り返そう」「まとまった勉強時間をとらなくてOK」「飽きたら別の分野を勉強するべし」。菊池氏が提唱する、忙しい社会人が英語学習で挫折しないための心構えには驚かされる。特に納得させられるのが、「自分の一番興味のある分野の英文を読もう」というもの。菊池氏は、引きこもり時代、好きな野球の記事を1日1ページずつ読むようにしており、読むスピードを徐々に上げていっていたという。自分の好きな趣味の話や専門の業界の話、とにかく興味の持てるジャンルの英文を読み、意味のわからない単語をひとつずつ調べて、1つ1つものにしていくこと。これが語彙力を効果的に増やす唯一の方法だと菊地氏は語る。

 また、語学の勉強といえば、文法を学ぶのが基本であるが、文法書を端から端まで読む勉強法に菊池氏は異議を唱える。文法書で重要なのは、文法の「幹」となる部分のみ。「枝葉」については実際の文章を読みながら、1つずつ覚えていくべきだというのだ。たとえば、英語の動詞には不規則に変化するものがあるということ(=幹)だけを頭に入れて、具体的にどういう動詞があてはまるのか(=枝葉)は英文の中で何度も出会うことで覚えていけば良い。受験では「枝葉」が問われることが多かったが、TOEICで問われるのは、「幹」をしっかり理解しているかである。具体的には、(1)4大品詞とその用法、(2)文と節と句、(3)動詞の変化、(4)自動詞と他動詞、(5)関係代名詞、(6)to不定詞、の6つの「幹」を学べば、TOEICの点数を飛躍的に上げることができると菊池氏は述べ、この本の中で英語に伸び悩む読者に向けて特別レッスンをしてくれる。

 「形容詞は名詞だけ修飾でき、副詞は名詞だけ修飾できない」「過去分詞の使い方は3つ」「不定詞とは文字通り“定まらない品詞”」。菊池氏の説明は遥か昔に英語の授業で聞いた内容ばかりだが、菊池氏のいうように「幹」だけを学ぶように心がけると、読み終える頃には、「TOEICってこんなに簡単だったのか」という気がしてくる。この本を元に基本を学べば、TOEICで高得点を取ることも夢ではなさそうだ。

 英語に悩んでいるビジネスマンや学生、必読の1冊。

 


6年間の「ひきこもり留学」でTOEIC満点の英語力を獲得

三日坊主も反復すれば、力になる

好きな分野の英文を読むことが大切

発音チェックはこんな装置を使う。自分で発音できれば、リスニング能力もアップ!