永遠に新しいファンタジー&ホラーの巨匠。泉鏡花に全員注目!!

小説・エッセイ

公開日:2011/10/26

鏡花幻想譚1 龍潭譚の巻

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 河出書房新社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:eBookJapan
著者名:泉鏡花 価格:648円

※最新の価格はストアでご確認ください。

ホラーや怪談、ファンタジーに興味をもっている方なら、「泉鏡花」という名前は耳にしたことがあるでしょう。
芥川龍之介や三島由紀夫も愛読したという、日本幻想文学を象徴する巨人。代表作に「高野聖」「草迷宮」などがあり、いくつもの作品が映像化・舞台化されています。

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さて、鏡花作品の特色ですが、まず何といってもストーリーが面白いこと! 文豪作品というとちょっとお堅いイメージがありますが、鏡花については心配ご無用。ツボを押さえたストーリーがぐいぐいとテンポよく転がっていって、今読んでもまったく退屈しません。妖怪や幽霊、美男美女がたくさん登場するのもファンタジー好きには嬉しいですね。「100年前にこんな作品が?」とラノベ読者も驚くはずです。

ただし、鏡花独特の文体には慣れるまでちょっと手間取るのもたしか。慣れてくると、この文章がクセになるんですが、初めて読む人はちょっと戸惑うかもしれません。そんな時にはこの『鏡花幻想譚』シリーズが便利。

物語のマップ、大まかなストーリー、登場人物、用語解説など、痒いところに手がとどくオマケの数々が、ストーリーを追いかける手助けをしてくれます。まあ、そもそも日本語で書かれた作品なので、読み進んでゆけばちゃんと分るようにはなっているんですが、こういうオマケがあるとかなり心強いですね。

山奥に暮らす魔女的存在を描いた「高野聖」をはじめ、少年の神隠し体験をノスタルジックに描いた「龍潭譚」、職人の遺した造り物のカニが歩き回る「さゝ蟹」、美人の幽霊が出現する「幻往来」の4編を収録。どの作品も面白そうでしょ?

従来の鏡花本に比べても、かなりとっつきやすい内容になっているので(4作収録というボリュームもちょうどいいですね)興味をもった方はダウンロードしてみてください。この『鏡花幻想譚』、シリーズは全部で5巻出ています。


「龍潭譚」の書き出し。独特の文体で一挙に幻想世界に引き寄せられる。でも、とっつきにくいのも確か

各話にマップがついているので安心。これがあるとだいぶ分りやすくなります

登場人物紹介もついています。あらかじめ目を通しておくといいかも!

ストーリー解説もあり。鑑賞の手引きに

こちらが機能画面。電子書籍としても使いやすいものでした (C)河出書房新社