「これでいいのだ!」人間大好き、赤塚不二夫の人生丸分かりの1冊

小説・エッセイ

2011/10/27

赤塚不二夫120%

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:赤塚不二夫 価格:507円

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『天才バカボン』『おそ松くん』など昭和を代表する漫画家・赤塚不二夫による、赤塚不二夫の本。
もう、それだけで絶対に読みたい! とiPhoneを手にダウンロード。ズンズンのめり込み一気に読み終えた書です。

本書は赤塚不二夫氏が平成14年に脳内出血で倒れる3年前に書かれた本。当時のサブタイトルは「死んでる場合じゃないのだ」でした。なんだかバカボンらしい、あ、赤塚不二夫さんらしいですね。

赤塚さんは漫画を作る過程も独特だったようです。漫画を連載している各社の編集者が漫画の仕上がりを待っているのですが、テーマやどんなオチにするかなどのアイデア出しは赤塚氏と集まっている編集者でワイワイと話しながら決めていたそうです。ライバル社同士なのに。

このスタイルはトキワ荘時代からのものだったようです。何か漫画のアイデアが浮び「これは石ノ森に書かせたほうがいい」と思えば夜中でもそのアイデアを持っていき、石ノ森章太郎がそのアイデアで漫画を書く。マンガの神様、手塚治氏がふらっとトキワ荘にやってきて「漫画家になりたいなら、いい映画、いい音楽、いい小説を読みなさい、いい芝居をみなさい」と言う。するとみんな、お腹がペコペコでもみんなで映画を観ては映画のことを語り明かすという生活だったそう。それもあり、赤塚さんは映画、音楽に精通していて、漫画のインスピレーションを多く得ていたようです。

とにかく、面白いことが大好きで、嫌いな人間が全くいないという赤塚不二夫
多くの連載を抱えて忙しいのに、締め切りの日に編集者をからかうためにバカボンのパパとママがセックスしてるだけという原稿を渡して、編集者が「これじゃ会社に戻れません」と困っている様子を見て楽しんだり(もちろん、ちゃんとした原稿も仕上がっていたそうです)なんてこともしたそうです。今、そんなことする漫画家さんっているのかな?

そして、作られる作品は考え抜かれたギャグ漫画で、どの年代でも読めるものになっている。赤塚氏曰く「トンカチで殴ると、トンカチ形のタンコブが出来る。これは小学生が喜ぶ、ダジャレは中学生が喜ぶ。パロディーや社会風刺は、高校生以上の大人が喜ぶ」のだそう。何重にも包まれたギャグだから年齢の枠を超えていつ読んでも、面白い作品になっているのですね。

赤塚不二夫のギャグ漫画への思い、ギャグ論、漫画家を目指して上京してからのこと、トキワ荘のこと(当時のトキワ荘には寺田ヒロオ、藤子不二雄、石ノ森章太郎がいました)など読みながら昭和40年代、50年代にタイムスリップした感覚です。一気に読み切れたもの、赤塚さんの交友関係が誰もが知っている漫画家、小説家、タレントなどで、赤塚さんから見た、その著名人たちの若き日の姿なども興味を惹かれて読み進められたからです。本当に赤塚不二夫は人間が大好きなんだと思いました。もう一度「天才バカボン」が読みたくなりました。「リコウより、バガが英雄なのだ」です!


各章に挿絵があります。赤塚不二夫。が生み出したキャラクターたち、どれだけわかるかな?

バカボンのパパになる赤塚不二夫氏。本当はとってもシャイで人見知り

映画が小説に精通していたので影響を受けた多くの俳優や作家などの名前が出てきますが、各章の最後に本文中に出てきた著名人、流行した言葉なの参考情報があるので、わからなくても後から確認可能です

すぐに知りたいことはネット辞書やwikipediaで検索可能です