召喚獣という新しいファクター(要素)で学力低下に歯止めをかける-バカとテストと召喚獣シリーズ

ライトノベル

2011/8/17

バカとテストと召喚獣

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / エンターブレイン
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:井上堅二 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

■バカとテストと召喚獣シリーズ/井上堅二・葉賀ユイ/エンターブレイン

人気ですね、『バカテス』。私が文章を教えている、ライトノベル作家志望の学生たちも大好きです。アニメも好評ですね。
  
人気の背景にあるのは、まず、設定の秀逸さでしょう。成績順のクラス分け、テストの成績で自分の使役する召喚獣の強さが決定、下位クラスが「優れた設備を求めて」上位クラスに召喚獣バトルを仕掛けるという下克上。なんだか教育現場からお叱りを受けそうなワクワク設定ですが、これが主人公たちが通う文月学園で、学力低下に歯止めをかける優秀なシステムである、とされている。

キャラクターたちも、また魅力的。主人公の吉井明久は揺るぎなくおバカだし、姫路さんは安定して天然だし、秀吉はアッパレなほど美少女(ただし♂)だし、ムッツリーニは圧倒的にスケベだし…etc。とりあえず、みんな賑やかでバカ。「バカ>テスト・召喚獣」な作品なので、召喚獣による壮大なファンタジーに期待をせず、とにかく読んで笑いに徹するべし!
  
ところで、少しマジメな話をするとですね、教育の世界では「競争で生徒を追いつめるのはよろしくない。もっと広い視点の教育があってよいはずだ」という論調が強くなってきたために、“ゆとり教育”が導入されたのですね。ところが、本来の“ゆとり教育”の深い意味がうまく浸透・機能しなかったために、“ゆるみ教育”に陥ってしまった。そこで今、必死にゆとり教育の脱却が図られています。
  
そもそも人というものは、人と切磋琢磨するから伸びるもの。勉強が苦手な生徒だって、勉強が好きになる動機があれば、必死で勉強をして、進んで競争の世界に飛び込んでいけるかもしれない。
  
『バカテス』は、ここを突いてきた。勉強をすることでテストの成績が上がる。召喚獣が強くなる。上位クラスとわたり合える。つまり、召喚獣で下克上をする「試験召喚システム」の基礎なわけですが、こういった勉強に対する意欲を向上させる取り組みは、現在ではいろいろな学校で行われています。なんて先取的なんだ、スゴイぞバカテス。
  
あと、特に若い読者の支持を集めている理由に“クラスメイトと協力”してバトルを繰り広げていくことが挙げられるでしょう。個性を生かして仲間が一致団結するって、“ザ・青春”ですよね。
  
実際の社会でも大事だし、団結力。
  
という視点で読むと、文月学園はまさに小さな社会そのもので、おバカなキャラクターたちが活躍する物語なのに、到底バカにはできない良作だと思うわけです。

10問に1問は解けるのが主人公なのだッ!

ストーリーの合間に出てくる、名物のテストパート。設問があって…

正答と珍解答がある。先生の返答(ツッコミ)もおもしろい

主人公は案の定、Fクラスに

Fクラスの設備に涙がにじむ

試験召喚戦争で下克上を狙う

召喚獣の存在が際立つ設定

で、白熱の召喚獣バトル!!