楽しめ。血を流しながら――26歳独身女、趣味のコスプレに命かけてます

オタク

2014/10/22

コンプレックス・エイジ(1)

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:佐久間結衣 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 読み切り版『コンプレックス・エイジ』は「18年ずっとゴスロリを着続けてきた34歳の女性が、好きと現実、一般意見の風当たりとの間で葛藤する」という話で、第63回ちばてつや賞一般部門で入選。モアイというWebサイトに掲載され、125万PV、22000RT、6000いいね!(2014年4月現在)を記録、晴れて連載開始という流れになりました。

 連載されるにあたり、主人公は26歳の派遣社員、趣味はコスプレという変更がありましたが、心えぐられる内容はきっちりキープ。その反響はというと、「コンプレックス・エイジが毎週怖い」「心が痛い」「胸に刺さってヤバイ」などなど…最新話が出るたびに、ネットやTwitterでコスプレイヤーさんの悲鳴じみた感想が聞こえてきます。レイヤーの「リアル」の恐怖を容赦なく描き出していく『コンプレックス・エイジ』。日本のムラ社会の残酷さも相まって、見る人が見れば下手なホラー作品よりも恐ろしい内容なのかもしれません。

 主人公・片浦渚(カタウラナギサ)は、魔法少女モノのウルルというキャラのコスプレに「命を賭けている」と言っても過言ではないほどこだわっており、完璧なコスプレをしなければ満足できません。しかし渚は一般的にはスタイルが良いと言われる高身長がコンプレックスで、「小さくて可愛い」二次元のキャラクターに近づくためには途方もない努力が必要でした。不断の努力の上になりたつ、「自分こそがウルルに一番近い」と自信と自負。そんな自信は、ある日レイヤー仲間の友人から「まるでテレビ画面から抜け出してきたような」「素でウルルのキャライメージを持つ」「若い女の子」を紹介されてから揺らぎ始めて…

 このあとに続く理想と現実の葛藤、マナーの悪い相手と悪意、会社バレ、親バレなど、素敵に心えぐられるラインナップが満載。「楽しめ。血を流しながら。」というキャッチコピーは伊達ではありません。レイヤーの方はもちろん、何かのオタクである人も、まったくその気もない人にも、「我が身を省みる」という点で一度読んでみて欲しい1冊でした。


コスプレに命をかける渚。自信は努力の裏打ちがあってこそ

高身長のスタイル良しは、彼女自身にはひっそりとしたコンプレックスで…

完璧主義者のため、他人の不完全にもついつい目が行ってしまったり