新しいスキルをたった“20時間”で物にする。その極意とは?

公開日:2014/11/6

たいていのことは20時間で習得でき​る 忙しい人のための超速スキル獲得術

ハード : 発売元 : 日経BP社
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:ジョシュ カウフマン 価格:※ストアでご確認ください

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 興味はあるけれど、時間がないから。いつかもっと暇になったら始めよう。人によってその内容は様々だろうが、誰でも一つはそんな「いつか始めたいこと」があるのではないだろうか。それこそやりたい事のリストはどんどんふくらんでいくけれど、始めるとなると…。

「いつ始めるか、今でしょ!」といわれるまでもない。そんな事はわかっているのだ。けれどなかなかその重い腰をあげられないのには、2つの理由があると、本書の著者ジョシュ・カウフマンはいう。

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 何事もできるようになるためにはスキルを獲得せねばならず、そのためには時間と努力が必要だ。しかしたいていの人は時間がないし努力もしたくない。ついつい楽なほうへ流れてしまう。これが一つ。そしてまた、たいていの事は上手になるまであまりおもしろくない、という事実がある。彼の言う“イライラの壁”を抜けることがなかなか難しい。これがもう一つの理由だ。この2つのストレスを最小限に抑えるため、著者が自ら経験して生み出したのが「20時間超速スキル獲得術」だ。

 このテクニックでまず大切なのは、自分の目指すレベルをはっきりさせる事だという。もしもプロになりたい、と思うのであれば、確かにつらく長い鍛錬が必要だろう。しかし、そこそこ使えて自分が楽しめるくらいのレベル、著者の言う「必要十分」のレベルであれば、長い時間をかける必要はない。これは目からウロコの発想だった。

 スキル獲得のプロセスも独特だ。やみくもに始めるのではなく、まずは獲得したいスキルをできるだけ小さな「サブスキル」に分解、自分にとって必要な物は何かを見極める。どれとどれを学べばいいのか、自分には何が必要かをしっかり把握すると言う事だ。そして賢く早く学ぶために、細かく分けたサブスキルについてリサーチし、十分知識を得る。途中でつまずいた時もこの知識があれば自己修正が可能だという。また邪魔になるものは徹底的に取り除いて、必要なサブスキルを最低20時間練習する。なんともシンプル&無機質な方法だ。

 理系のスキルならぴったりはまりそうだけれど、これで楽器やフィットネスのスキルまで本当にマスターできるの? 獲得テクニックを詳述した前半を読んでいる時はちょっと眉ツバな気がしたが、後半、著者自ら科した、まったくバラバラな6つの未経験スキルを獲得するまでの体験談を読むと、確かに納得させられてしまう。これならもっと気軽に新しい事を始められるかも! 心の中の「できないハードル」を低くするのに役に立ってくれそうな1冊だ。


目次はとてもシンプル。体験談は自分の興味があるものだけ読むことも

一万時間かけるのはプロ級レベルを目指すからだった!

ルールがわかりやすくまとめられている。このままコピーしてチェックリストに使えそう

独占欲の激しい男のような虫もいる

危険な虫の存在も。いろんな虫のいろんな行動がいっぱい書かれた1冊