今を生きるために、ぜひ古代ローマ人のお知恵を拝借しよう

2011/10/31

日本人へ リーダー篇

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 文藝春秋
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:塩野七生 価格:735円

※最新の価格はストアでご確認ください。

歯に衣を着せないというのはこういうことを言うのだろう。主張がはっきりしていて、読んでいて痛快だった。政治、特に自衛隊の派遣問題など、戦争や自衛隊などの問題が絡んでくると、シビアな決断を迫られることのない一般人は、私も含めて無責任に実効性に乏しい平和主義的な意見を言いがちだが、責任を持つ立場になればそうはいかない。それが本書のタイトルの意味するところでもあるのだろう。

この本は、ローマに住み、「ローマ人の物語」など多くのイタリア関連の著書で知られる塩野氏が、ローマ時代に置いた視点から現代の政治について意見を述べたエッセイ集。教科書にはあまり出てこないが歴史には出てくる思想が、ローマ帝国時代のヒーローやマキャベリのような思想家の言葉などを通して紹介される。彼らのとった戦略やその背景にある考え方などが、現在でも通用することが新鮮で、また興味深かった。

日本にいれば日本の物差しを使うのが当たり前だったし、アメリカで暮らしているうちに、いつの間にかアメリカの物差しを使うことが多くなってきた。でも、ヨーロッパに行けばまた違う物差しがあり、ローマ時代までさかのぼれば、またそこにも違う尺度がある。この本を読んで、自分にはヨーロッパ、ましてやローマ時代の物差しがなかったことに気がついた。そして、本書のおかげで、ローマ時代の物差しがけっこう現代でも利用価値があることに気づいた。考える道具として、物差しはいくつか持っていた方が面白い。ということで、本書をお勧めしたい。


ローマ時代から人間は自分が見たいものしか見ていなかったのかと、妙に古代ローマ人に親近感を覚える

政治、外交、戦争、そんなかたい話が分かりやすく書かれている

本書を読むとイタリアという国が身近に感じられてくるにちがいない (C)Nanami Shiono 2011