文化系ギャグ漫画の傑作、学園に迷い込んだアンドロイドのフツーでマヌケな日常♪

更新日:2011/9/5

究極超人あ〜る (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:ゆうきまさみ 価格:432円

※最新の価格はストアでご確認ください。

本編の主人公はR・田中一郎(あ~る・たなかいちろう)。
  
世界征服を企むマッドサイエンティスト・成原成行博士が、世界征服への第一歩として春風高校光画部(通常の高校で言う写真部)へ送り込んだアンドロイドである。成原博士の野望を叶えるため、R・田中一郎は「究極超人あ~る」として行動を開始する!!

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…という感じで煽り文を書いてみる。いや、全然ウソではなく、初期設定は間違いなくコレなのだが、この作品では陰謀も策略も争いもまぁ~ったく起こらない(^^;)。
  
このアンドロイド・あ~るくんが何をするのかというと、光画部部長に就任したり、夏休みに撮影旅行に出掛けたり、文化祭で展示室の建て込みをしたり、野球をしたりと、いたって普通。自転車で高速道路をもの凄い速さで走る、他校の不良数名を一瞬で追い出してしまう、など、アンドロイドらしい動きもすることはするのだが、おおよそはユル~く、そして機械とは信じがたいマヌケさも加味して学園生活を満喫。主人公でアンドロイドなのにもかかわらず、ほとんど存在感がない(^^;)。
  
だいたい、この「光画部」という部活動の場があまりにステキ。
  
部室には毎日のように常軌を逸したOBがうろついてるし、何かにつけて部室で宴会が行われてたりする。挙げ句、ホンモノの幽霊を「ユーレイ部員」として部員名簿に登録しちゃったばかりか、終盤にはこのユーレイが「元ユーレイ」(つまり生身)となり、部長に就任してしまうのだから凄い。登場人物の一人が「文化部なんてどこも似たようなモン」とか語るのだが、絶対にそんな事はない! こんな部活があるなら、是非入りたい♪
  
作者は「鉄腕バーディー」や「機動警察パトレイバー」でお馴染みのゆうきまさみ氏。スタイリッシュなSF作品を描くことで有名な作家なのだけど、このあ~るに関しては、ユルくてシュールなギャグ展開に終始。連載開始が1985年、とやや昔の作品ではあるのだが、何故か古さは感じず。更に文化系部活動を扱った作品としては、有川浩の「キケン」と双璧を成す傑作、と、個人的には思う。
  
全9巻、ちょっとした時間で読むにはちょうど良い分量。iPad/iPhoneに入れておいけば、何度でも笑えることうけあい。ちなみに写真好きの人には全く役に立たないので、ご注意を!

登場シーンは湖から自転車、この段階でかなりシュール!

何故かあ~るを捜査する刑事が、衝撃の事実を…

…それを受けた光画部部員たちの反応がコレ(^^;) 細かな動きがキチンとわかる、さすがの画力!

光画部名物・新入部員歓迎コンパin部室、よくわからないコスプレの人がうじゃうじゃいるのが不思議

最終回近く、自らの野望「世界征服」を”思い出した”成原博士は、春風高校を占拠し生徒を人質に!(人質は通常通り登下校)

かなり便利な目次ジャンプ機能、目次の行に触れるだけで該当章へ飛ぶのだが、気づかない人が多いかも (C)ゆうきまさみ/小学館