町303の死神グレイ。13回の戦闘でC級になった男。だが分隊は常に全滅
公開日:2011/9/4
GREY (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : ぶんか社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:たがみよしひさ | 価格:315円 |
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「軽井沢シンドローム」や「NERVOUS BREAKDOWN」を描いたたがみよしひさのSF作品。
時は未来。すでに海が青くない時代。世界は戦士(トループス)と民(ピープル)、そして市民(シチズン)という階級で統制されている。民は戦士となり、他の町と戦闘し、ランクを上げれば、市民という安全な立場になれる。戦士はF級(クラス)からA級になれば、市民権を申請できた。A級になるまでの生存率は一桁。
戦士は町の中央管制脳(リトル・ママ)とディレクターであるコモン・ロペから、戦うエリアと相手を指示される。このリトル・ママは、世界の統べる「シティ」の中央管制脳(ビッグ・ママ)の端末でもあった。
物語前半はグレイが参加した分隊の作戦行動が中心。その分隊もグレイを残して、全滅する。そして後半、戦闘中にグレイはコモン・ロペのオリジナルとなるロバート・J・デミトリーと遭遇する。ロバート・J・デミトリーはビッグ・ママの前身となる、世界で最初に意識を持ったコンピュータ「TO-Y」の製作者である。意識を持ったTO-Yは「なぜ?」と考えた。
なぜ人間はいるのか?
なぜ人間は増えるのか?
なぜ空気を汚すのか?
なぜ森林を潰すのか?
なぜ核兵器を作るのか?
そしてはTO-Yは答えを見つけ、シティに世界をこのように変えさせたのである。そしてグレイもそのシティに戦いを挑み、人間としての答えを見つける。その答えが私はSFだと思えた。
そして、この作品を彩るもう一つの要素を私はジープだと考える。「軽井沢シンドローム」でも作者はウイリスMBを最高の車を称賛している。私もその意見には大賛成である。
死神グレイは必ず生き残る
グレイが戦士になろうと思い立ったのは、恋人の戦死だった
秀逸なメカニック設定
1980年代、たがみよしひさキャラは明らかに時代を作っていた
物語が進むにつれ、少しづつ兵器もハイテク化
初出当時、こういう構図は斬新でかっこよかった
アーマノイド型の敵も出現。ビジュアル的にもSF要素が満載
このコマではわかりづらいが、グレイ自身もサイボーグ化。そして搭乗型兵器も登場 (C)たがみよしひさ/ぶんか社