自分探しの心強い味方。それが「夢」なのだ
更新日:2012/3/22
自分というのは自分であって、つまり「生きている本人」だから、一番よく分かっているはずなのに、「いいのかなあこれで私」って、とまるで見当がつかなかったりするからやっかいである。自分探しって言葉がはやったけど、探さなきゃならないくらい分かんなくなっちゃうのだ。それでまたこれが、見つかるかどうかもはっきりしないんだね。どうするいったい。
夢がそのお手伝いになる、そういう本である。
著者が、夢分析とユング心理学の我が国での第一人者、秋山さと子となれば信頼度も確かというもの。
実際の夢を事例に取りながら、そもそも夢とは人間にとってなんなのかというあたりからはじめ、絵解きを手がかりに無意識が示すわたしたちの人生のあり方を述べてゆく。夢を考える人生と考えない人生では、豊かさがまったく違うと彼女はいう。
興味深い夢のサンプルがいくつも書かれているが、川を渡ろうとしてカニに足を挟まれる夢を例に、フロイトとアドラーとユング、それぞれの夢解釈の違いをあらわしている箇所は、なぁるほどと強く納得。
もしいま自分に迷っているなら、なにかしらヒントをもらえるかもしれない。
ある神経症の女性が見た夢を参考にして、フロイト、アドラー、ユングの夢解釈の違いを説明する
川を渡るときにカニに足を挟まれる夢だ
正夢を引き合いに解説されるのはシンクロニシティというとても不思議な現象
ユング心理学では、予知夢といった理屈では割りきれない出来事もあたりまえのことと考えられている
男性の心にひそむ女性性「アニマ」を使って読みとくと、あの「美女と野獣」に驚きの別解釈が