大人気ドラマ「アンフェア」の原案小説は見事なまでにスリリング!
公開日:2011/11/3
刑事・雪平夏見シリーズの第二作に当たる作品。
これとタイトルの「アンフェアな月」でもう皆ピンと来ると思うのだが、篠原涼子をメインに据えて大人気を博した名作サスペンスドラマ、「アンフェア」の原案に該当する作品である。
ドラマ版アンフェアのイメージがかなり強烈なため、文章で読むとどうなんだろう? という不安が当初はあったのだが、これが全くの杞憂。推理小説の王道と言っても過言のない、緻密に計算された構成、伏線の張り方・ミスリードの誘い方はほぼ完璧。何より、物語として非常におもしろい。読後感もかなり良く、久々に充実した読書と相成った。
ドラマ化されている作品に関しては、先に映像を見るべき作品と、先に原作を読むべき作品とがあると思う。個人的には”原作を読む→映像を見る”のパターンに良い場合が多いのだが、今回は映像が先。しかし、雪平夏見は篠原涼子、安藤一之は瑛太、というイメージで読み進めるとさらに臨場感が増すし、不思議な親しみやすさすら感じる。こういう作品は非常に稀。つまり、ドラマも原作も非常に良い、ということなのだろう。
そして特筆すべきは凄い密度の”描写力”。キャラをイメージしながら読んだ、という点を差し引いても、シーンごとの状況が何故か映像のように鮮明に見えてくる。不思議に思って調べてみると、やはり作者の秦建日子氏は有名な戯曲家・脚本家、そして演出家。夢中になって見ていたドラマ、「天体観測」が氏の作品であることを知り、妙に納得してしまった。
推理小説愛好家も、サスペンスマニアも、ドラマ版・映画版の「アンフェア」ファンも、絶対に読んでおいて損のない意欲作。少なくとも僕はこのシリーズ、全部読もうと思っている。読書欲を駆り立ててくれるシリーズ、オススメです。
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