待ち焦がれた『ハルヒ』が4年ぶりに降臨。クライマックスに驚愕せよ!-『涼宮ハルヒの驚愕』
更新日:2012/4/18
涼宮ハルヒの驚愕(前) BOOK☆WALKER special edition
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : KADOKAWA / 角川書店 |
ジャンル:ライトノベル | 購入元:BOOK☆WALKER |
著者名:谷川流 | 価格:567円 |
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『涼宮ハルヒシリーズ』は、ラノベファンにはおなじみ、主人公の男子高校生・キョンと、ツンデレガール・涼宮ハルヒ、そして彼女が部長を務めるSOS団の面々が繰り広げる、学園モノSFライトノベル。
単行本としては前作『涼宮ハルヒの分裂』からじつに4年ぶりの続刊、シリーズ第10、11巻がついに登場です。そう、今回はシリーズ初の前・後編。
前作で「どう収拾をつけるのだろう!」「これ、全部のフラグ回収できるの?」など、続刊に期待や不安を抱いたファンは、この4年間、さんざんもどかしい思いをさせられましたが、さすがは作者の谷川氏。本作でみごとに不安要素はクリアー、読後にはすっきりとした爽快感を味わうことができました。
哲学者・デカルトの有名な命題に「我思う、ゆえに我あり」があります。自著『方法序説』の中で提唱しており、「『自分はなぜここにいるのか』と考えることができるから、自分の存在を証明できる」というものです。
特に青春時代って、「私があるから世界がある。私は世界の中心なんだ」と考え、怖いもの知らずでどんどん突き進んでしまうこと、ありませんか? それは、社会に出ると、ときに「根拠のない自信」「勘違い、思い違いをしている人」とエライ人たちに叩かれることになったりしますが、やはり、自信を持っている人って、力に満ち溢れていてカッコイイですよ。
それは、たとえばハルヒだったり。
自信を持っているから、まわりの人間を惹きつける。そして、いわゆる主人公補正で、どんな事態もやがては好転して、不思議と思い通りにことが進んでいく。ハルヒはおそらく「自分は確かにここにいる」ことに少しの疑いも持っていないし、(本当は「私が世界の中心だと思っている」と書きたいのですが、じつは常識人で謙虚さも持ち合わせているようなので)少なくとも「世界の中心でありたい」と願っている(と個人的には思います)。自分の強力な「存在力」ともいえるパワーがあるからこそ、不可能を可能にし、また、私たちファンは目を離せないのではないでしょうか。
本作では、一見、ハルヒの露出が控えめですが、クライマックスでまさかの「驚愕」が用意されています。ぜひ、あなたも体験してみてください。
※ヒント:さすが、なんでもありのハルヒなのでした。
口絵のワンページ。ごぶさたですの面々。シリアス展開を予感させる
前編のもくじ。前作『分裂』の続きとして、第四章から始まる
前作からαルートとβルートにわかれていたが…。やや複雑な本文構成だが、βルートはαルートの文字組みより、二字分、下がっているから読みやすい
いつぞや見た、安心の「yuki.n>」の文字列。頼もしい仲間たちが活躍を見せる