爆発的RT数を誇った問題作! 疲れたときに”クスッと笑いたい”にうってつけのコミック

4コマ

2014/12/31

地球のささくれ

ハード : 発売元 : 講談社
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:土田えり 価格:※ストアでご確認ください

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  人間は笑う動物である。ま、そうですね、営業笑顔も含めて、1日に1回も笑わない人はいないでしょう。劇作家・演出家の太田省吾氏はこれを、笑ってる時間に比べて笑っていない時間のほうが圧倒的に多いから、人間は笑わない動物であるともいえる、とひっくり返してみせましたが、ちょいとうがち過ぎといえないこともないです。なんか一生に一度も笑わないままお亡くなりになるなんて、チベットあたりの賢者を思わせます。賢者さんすいません。

 哄笑、苦笑い、はにかみ笑い、泣き笑い、失笑、と笑いの種類はいろいろありますけど、非常に微妙な状況もあって、笑えるんだか笑えないんだか判断に苦しむ、中間地帯だってあるんです。含み笑い、というやつですな。心の中では笑っているんです。ただその笑いが外へ出て行かずに、出て行かないけれど、完全に体内に閉じ込められているんでなく、口の中までは押し上げられている、口の中で温められて鼻くらいまでは広がっている、そんなじわっとした快感。映画でいうと、アキ・カウリスマキの感じでしょうか。

 そのカウリスマキ感覚が、このコミックの真骨頂でもあるのであります。

 1ページコミックです。コマは1コマかふたコマ。なんだかんだいっても、とりあえずは描線がいい。端正で、綺麗で、伸びやかで、どこか紳士的な空気を漂わせているじゃありませんか。しかし、紳士というのはなかなか油断ができないのです。世の中の空気に行儀よく添い寝しているように見えるだけ、ふとしたことで少しばかりでもそのレールから外れると、とたんにフォーマルな顔立ちは滑稽になってしまうわけです。見上げていたものが急に見下げる位置になってしまう、笑いの基本法則のひとつですね。

 そんなきりっとした絵柄の中でなにが起きるかというと、学校とか、家庭とか、同僚との会話とか、ごく日常的な設定のもと、現実からほんの数センチ浮き上がったような、浮遊感漂う、ずれたおかしさが描かれるのです。「待たんかい、コラ」とか「いいかげんにせい」とか、そんなふうにことさらギャグを強調して突っ込む下世話さはここにはありません。高踏的で衒学的な持って回った気取りもない。ただ、あり得ないくせに、なんだかあり得るような気にさせる、品のいい笑いがかもし出されてきます。まさに「含み笑い」の雄です。

 おなかの皮がよじれるほど笑いたいときには使用できません。すっとぼけた野郎に、羽の先でスリッとくすぐられたいときに処方してください。


とぼけている

たしかに

バレないだろう

ねられない

きっとバレない

生きがいを奪う