お笑い3大大会審査員回数最多!ラサール石井の真髄は「笑いの分析能力」にあり!

小説・エッセイ

公開日:2015/1/11

笑いの現場

ハード : PC 発売元 : 角川マガジンズ
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:ラサール石井 価格:※ストアでご確認ください

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 「THE MANZAI」「R-1ぐらんぷり」そして「M-1グランプリ」という大御所芸人がプロの芸人に対して審査をする、近年を代表する3つのお笑い大会。実は、これら3つの大会で最も多く審査員を務めているのが本書の著者・ラサール石井であるということを皆さんご存知でしょうか。2015年現在もキープしているというから驚きです。

 ラサール石井がこれほど審査員としてオファーされている理由はひとつではありませんが、彼の笑いに対する分析能力の高さが業界内でも随一だということが何よりも大きかったのではないでしょうか。『笑いの現場』では彼のそういったお笑い評論家としての一面がうかがえる、最初から最後までお笑いのことしか書いていない、お笑い芸人や放送作家が教科書にしたくなるような内容が書かれています。

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 本書は大きく著者がデビューしてから2008年頃に至るまでの経緯を当時のお笑い界の動きと共に紹介した「ノンフィクション編」と、ビートたけしを始めとした5組のトップ芸人についてを分析した「評論編」の2つに分けられています。特に「評論編」は彼にしか書けない、対象となった人物と実際に親交があるからこそ書ける深い内容となっていて必読です。

・ビートたけしにとって「毒」とは何なのか
・ビートたけしと明石家さんまの笑いの違いはどこにあるのか
・志村けんはなぜ他の芸人と一緒にお笑いをやらないのか
・とんねるずはなぜ若者のカリスマになることができたのか

 このようなお笑いを研究する上では絶対に欠かせない内容が丸々1冊に渡って書かれていますので興味が湧いた方はぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

 ちなみに最初に挙げた3つの大会全てで審査員を務めたことがあるのはラサール石井・大竹まこと・そして渡辺正行の3人のみ。コント赤信号というのはお笑い界を支える柱のような存在なのかもしれませんね。

■構成 5
■文章・表現 4
■実用性 4
■「明石家マンション物語」思い出し度  5
■「こち亀」のアニメ再開してほしい度 5


漫才ブームが訪れるまではお笑いの地位は芸能界で一番低かったという。今では考えられないことです

昨年終了した「笑っていいとも!」について。確かにあの番組はメジャーでありながら独特なものでした

「笑い声を足す」という演出は30年以上も前から既に行われていたのだそう。「エンタの神様」でもやっていると思いきり書いてありますね