描かない志望者から連載できない受賞者まで、プロを志すすべての人に!

公開日:2015/1/13

マンガで食えない人の壁 -プロがプロたる所以編

ハード : 発売元 :
ジャンル:NPO法人NEWVERY 購入元:KindleStore
著者名:NPO法人NEWVERY内 トキワ荘プロジェクト 価格:※ストアでご確認ください

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 トキワ荘プロジェクトというのを聞いたことはないでしょうか。別に『まんが道』の話をしようというのではなくて、NPO法人NEWVERYが手がけるプロ漫画家志望者の支援のお話なのです。この団体、出版社が集まる東京に漫画家を志す若者が安く物件を借りられるように、シェアハウスなどを用意しているそうですが、そのほかにも講演会やイベントの開催、書籍の発行なども行っているのです。ご紹介する『マンガで食えない人の壁』もその一冊です。

 『マンガで食えない人の壁』には、黄色い表紙の第1弾と『プロがプロたる所以編』という副題がついた第2弾があります。インタビューアーが各漫画家に取材した話をまとめたのが第1弾で、漫画家同士(編集者同士)の対談を組んだのが第2弾。内容は、両方読むとわかるのですが、なんとなく漫画家になりたいなぁ、と思っている人に向けて語っているのが第1弾。すでに歩き始めている人に向けた話が第2弾というように感じます。

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 各章のインタビューや対談は、それぞれ独立しているのですが、読み進めると共通するキーワードが出てきます。“延々とネームをやっている志望者”や“スピードとクオリティ”などです。編集の段階で拾い上げられたという風に読むこともできますが、プロの漫画家に共通する新人に対する感想であると思うと、励まされたり、注意されたりしているような気持ちになって、新人漫画家でもないのにわくわくできます。

 いわゆる、ノウハウ集ではありません。むしろ創作に臨む態度や、時には生活スタイルの話が中心になります。いろいろな意見があるのだな、と読むのもいいし、かっこつけやがって、と思うのも自由です。でも本書で対談している新條まゆ先生の言葉を引用するなら、「この人は売れるものを作っているっていう人の意見は、すごく素直に聞いていました。(中略)逆に、この人なんの実績も無いじゃんと思う人の意見は、ほとんど聞いていなかったんです」ということなのだろうと思いました。


前後はあまり関係ない。知っている名前から追いかけて読むのもあり

意外や意外。これはあの『ジャンプ』の話しなのですよ!

描きたいマンガと読みたいマンガの不一致はつらい…

仕事として描く人たち共通の話題は、やっぱり締め切りでした