やさしく見守るだけの天使が人々に起こす奇跡の物語

コミック

2011/7/17

天使

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 祥伝社
ジャンル:コミック 購入元:電子貸本Renta!
著者名:桜沢エリカ 価格:315円

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ヴィム・ヴェンダースの「ベルリン天使の詩」という映画以来、天使というのはただ人間を見つめているだけの存在という認識が広まった。トラブルに見舞われた人間に手をさしのべて助けてやることもせず、夢を見続ける人間にチャンスを与えて幸福にしてやることもなく、ただ黙って、ひたすらに、見守っているだけ、永遠に。

 
この物語に登場する天使も、やっぱり自分からはほとんどなにもしないのだが、それが切なさのようなものよりは、まどかなやさしさのようなものに見えてくるあたりが桜沢の才能だ。おそらく絵の力だろう。

コンビニで働くカトウ君の部屋には天使が住み着いている。天使にキスをされるとボワッとかいいながらカトウ君の背中にもしばしの間羽根が生える。ジンライムが天使のお気に入り。そして一言も喋らない。

 
どうもどこかに欠落したものを抱えてる人だけに天使は見えるらしく、死のうかと思ってる女子高生や母親にかまってもらえない幼稚園児とも天使は親しくなるのだが、やはりこれといったやりとりはなく、けれど誰にとってもささやかだけれどはっきりとした変化が訪れることになるのだ。

 
天使という仕掛けを通して、人々の再生のドラマを紡いだ、といってしまえばそれまでだが、それにしてはこの天使の造形は実に心地よい。キリスト教の本とか読んでると、神様もそれから天使なんかとくに、裁くクリーチャーっつう感じがしておっかないことこのうえないでしょ。でも、この天使だったら1匹?、1頭?、1羽?、1発じゃないのは確かだね、とにかく1体まわりにいてほしい。桜沢の天使シリーズがあるらしいから、それも読んでみよっと。

カトウ君の部屋には天使が住み着いている

キスされると羽根なんか生えちゃうのだ

特別な人にしか天使の姿は見えない

少女はいま死のうと思っている

こんな小さな子供にも天使は訪れる