「イスラム教」をわかりやすく説明。いま、世界をどう見極め、どう生きるか【池上彰×佐藤優対談集】

2015/2/2

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方

ハード : 発売元 : 文藝春秋
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著者名:池上 彰 価格:※ストアでご確認ください

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 もっとも信頼できるジャーナリストと文筆家である2人、池上彰佐藤優の対談、というだけでこの本はもう面白いに決まっているのだが、冷静な分析とともに両人とも無双発言続出で一種爽快感すら感じるほどだ(だからお上と見ればどんな政策にでも盲目的に賛成するような思考力の衰えた人にはお勧めできない)。

 実際の情報に裏付けられた議論は「戦争論」だけに終始せず、ところにより「世界紛争ガイド」となり「教科書では一行しか書かれていない近代史」となり「自分なりのインテリジェンス構築法」「歴史と国際情勢の読み方」ともなる。とくにインテリジェンス構築法は、ジャーナリストだけではなくビジネスマンや学生にも有効だ。

 取り上げられている項目は、安倍政権や集団自衛権、アメリカのみならず、イスラエル、中国、ウクライナ、そしてもちろんイスラム国や北朝鮮問題と日本が巻き込まれそうな紛争地域の歴史や諸問題を包括。イスラム教の説明は非常に分かりやすくよくまとめられていて、これさえ読めば、一国の過激派を「イスラム」全体として論じるような誤りを犯さずにすむだろう。ニュースを見ていて起こる数々の疑問がまさしく腑に落ちる感覚だ。

 しかしこの原稿を書いている現在、イスラム国日本人拘束事件が発生、キューバと米国が国交回復し、ギリシャがユーロから脱退する可能性が出てきて、石油価格は暴落しているし、オバマ氏は一般教書演説で支持率急上昇だ。あまりにも大きい変化がすごいスピードで起こっているタイミングなので、細かい点には多少の違和感があるかもしれない。しかし全体的には10年以上後にも読める骨太の対談集だ。


何気ないコメントが割と無双。「インテリとは合わないのかな」って…。佐藤氏のフォローがまた無双だった

情報収集と分析について佐藤氏が使っている方法とは。さらに、これを受けて「信頼できる人物」の見分け方についても池上氏の方法が紹介されている

まえがきでは池上氏が佐藤氏を紹介。あとがきでは佐藤氏が池上氏を紹介。その紹介文にも重要なメッセージが込められている