罪を犯した少女たちを救うのは誰か

2015/2/12

女子少年院

ハード : 発売元 : KADOKAWA 角川書店
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著者名:魚住絹代 価格:※ストアでご確認ください

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 法務教官ー少年院の先生を12年間務め、1000人以上の生徒を見て来た著者。その体験をもとに、女子少年院というこの特殊な鍵で閉ざされた世界を丁寧に説明したのが本書です。

 昨年10月、北海道で起きた女子高生による母・祖母殺害事件。彼女の「その後」が明確に見えたような気がしたのは、この本を読んでからだった。丁寧な施設や法制度の説明を読んだ上で筆者の体験を読んでゆくと、非行や犯行に及んだ少女たちの痛みが旨に突き刺さってきます。その感情に流されることなく、地道に、誠実に、厳しく接して行く法務教官という職業。母のような存在になりながらも、なれ合いに落ちることなく、一線を保ちながら少女たちを更正させるという職務は並外れた忍耐力が必要なはず。実直で真摯な文章がそのまま、著者が少女たちに接した姿勢を示しているようです。

 親との確執を乗り越えられない少女たちにとって、著者が親以上の存在になってゆく様子には胸が締め付けられると同時に、少女たちの救いがそこにあるような気がしました。信頼できる大人をひとりだけでも得られるという体験は、罪を犯す彼女たちには絶対の価値を持つはずです。重い責任を持つこの特殊な職業のなんたるかを知る貴重な1冊。

 犯罪が起こると罪にしか目が行かないものですが、それでは贖罪は? 誰がどうやって彼女たちを助けて行くのか。という犯罪以上の難題について考えさせられる好著。おすすめです。


普段問うことのないこうしたシステムを学ぶのは興味深い

結構数があることに驚き

どの少女もギリギリの精神状態で入ってくる

そしてどんな少女にとっても人生の中の大きな存在になる法務教官