残酷な原作がマンガになると…

更新日:2011/9/12

告白

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:湊かなえ作画 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

タイトルどおり「告白」しますと、マンガを読むのは昨年夏ぶり。マンガはあっという間に読み終わってしまうので、わざわざ持ち帰るのが残念で、帰国時限定で「溜め読み」。日常生活では我慢しているアイテムでもあります…。
  
電子書籍はその点、本当に気軽にマンガまで読めてスバラシイ。何万点もあるマンガ作品の中でシリアスで現代的なものを読みたいと、このコミックに決めました。

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原作は2008年に出版されてから、「週刊文春ベストミステリー賞」「本屋大賞」「このミステリーがすごい」など数々の賞レースにランクイン。映画化され日本アカデミー賞を受賞しています。
  
強引なような設定も、実はそれぞれが「愛」のために狂ってゆく姿を描くには非常に巧妙にできている背景なのだと納得。HIV感染者の男性と子供を持った主人公、中学教師の森口悠子はシングルマザー。大事に育てていた女の子はプールで事故死…が、実は殺人であったことをつきとめる彼女。娘を亡くした母親は冷酷にその犯人を探し当て、神さながらに「審判」を下してゆきます…。ストーリー展開がスピーディー。かつ細く冷たいタッチがますます、それぞれに「愛」をなくしたり、求めたりしている登場人物たちを際立ててます。
  
マンガを読んで原作を読みたくなりました。一冊で読みきりですが、数巻で展開しても面白かったと思います。

HIV感染している男性と子供を持つことに決めた主人公悠子

愛しんで育てた子供が殺されてしまう…そして犯人は教え子の中に、という劇的な展開

登場人物は皆どこかしら壊れている…シャープなタッチが「壊れ度」を際立てます

「愛」があるゆえに、無いゆえに、皆狂ってゆく… (C)湊かなえ・木村まるみ/双葉社