ベストセラー生産の方程式を熟知した著者による、「生き直すため」のヒント集
更新日:2012/3/5
「本棚に飾るのが恥ずかしいような、ナイショの本も買いやすい」というのが、電子書籍の良い点のひとつだとか。きっと、エッチなビジュアルのものとか、官能小説などがその代表だと思いますが、私にとっては、中谷本っていうのも、「ナイショ本」に分類されていました。このテの自己啓発本が本棚にあるのを友人にでも見られたら恥ずかしいっていう、意味不明の羞恥心みたいなものがあったのかもしれません。
もしかしたら読者の中にも、そういう方、意外にいらっしゃるのではないでしょうか。と思って、今回、私が皆さんにかわって、禁断(?)の中谷本を試してみましたよ。
さて、たくさんある中谷本タイトルの中から選んだのは『生き直すための50の小さな習慣』。予想通り、「まえがき」からいきなり、電子書籍搭載の「しおり」機能を使いたくなるようなフレーズが飛び込んできます。
「人生に、フライングも遅刻もありません」--ふむ。この本を手に取った人は「生き直す」というタイトルに惹かれているはずだろうから、この文章は心にささるだろうなぁ。
続く本文には、「仕事をすることは、つらくない。仕事をさせられるから、つらいのだ」「史上最年少記録と同じように、史上最年長記録をたたえよう」「晴れた海辺もいい。雨の海辺もいい。曇りの海辺もいい」といった広告のキャッチコピーのような見出しに、それぞれ説明の短い文章が添えられています。
そして、各項の最後には、タイトルにもある「小さな習慣」が一文にて。例えば「元気のない時は、人と会わない」「月曜日を好きになろう」「高価なモノほど、ふだんに使おう」などなど。
うーん、くやしいけど(って、くやしがることもないのですが)、たしかにウマいな~、というのが率直な感想。短い文章だから、あっという間に読めて、でも、いくつかのフレーズは頭の中にちゃんとくっきり残る。必ずしも全部に同意(納得)ではないけれど、元気や勇気をもらえる言葉がいくつかあれば、一冊の本を読む価値としては十分な気がします。
結論(読者に伝えたいこと)が端的で、ストレート、かつスイスイ読めちゃう中谷本。電子書籍でならこっそり読めるし、私もハマっちゃいそうです。
「まえがき」からすでに、読者の心をキャッチするようなフレーズが…
各文章の最後に「生き直すための習慣」がひとつずつ記されている
本書の最後に「50の習慣」がまとめられている。本文を一読した後なら、ここだけを繰り返し見て、自分にリマインドするのもいいかも