一つの映画作品を見ているような少女漫画

2011/4/22

新装版 ハッピィ・ハウス 上

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 主婦と生活社
ジャンル:コミック 購入元:電子貸本Renta!
著者名:岡崎京子 価格:105円

※最新の価格はストアでご確認ください。

テレビプロデューサーの父と有名女優の母を持つ女子中学生るみ子。
  
父も母も好き勝手に生きていて、それでも家族は形だけは上手くいっていた。しかしある時、父親から家族を辞めたいと告げられて、形だけの家族が本当にバラバラになってしまう。そしてるみ子は、誰にも頼らず一人で生きていくことを決意する。信用できるのは自分だけ。

タバコも吸うし酒も飲む。かっこいいこととダサイことが自分の中でちゃんと決まっていて、小さなポリシーみたいな物もある。意外にも自分の処女を大切に守ってるくせに、自宅をホテルとして貸し出す商売を始めて何度も貞操の危機に直面。しかし全然懲りない。時々詩人。
  
大人たちが思う程るみ子は子どもじゃないけれど、るみ子が思う程るみ子は大人じゃないのです。大人と子どもの丁度中間地点の女子中学生の頭の中って、るみ子ほどドラマチックな毎日ではないけれど、きっとみんなこんな風に色々考えていたはず。毎日が喜びと絶望の繰り返し。大人になってあの頃みたいに考えなくなったのは、色々な現実が見えてきて諦めちゃったからなのかな…。
  
というか、どこから大人でどこから子ども?
  
るみ子と比べたら、出てくる大人たちみんなよっぽど子どもみたい。そんな所もなんだかリアル。
  
いつもは大人ぶっているるみ子が、友達の家族がうらやましくて「『うちの子にならない?』なんて言ってくれないかな~」と考えてるシーンがとても印象的でした。どんなに自立しようと思ってがんばってかっこよく生きていても、やっぱり一人は淋しいのです。うさこを抱いて眠るのです。
  
岡崎さんの描く漫画って、どの作品も全て映画みたいですね。台詞もコマ割も、映画みたいにかっこよくてとても楽しい。ただ、登場人物全員がどこかとても淋しげです。読めば読むほどすごい漫画ですね。

父親の家族を辞めたい宣言の、みんなの表情がいいですね

「家に戻ってケーキを食べるのだ!」。とっても大事なことです

アングルがなんだか映画っぽい

るみ子はうさこを抱いて眠ります