裁判入門ではなくて「裁判とは入門」

小説・エッセイ

2011/5/18

裁判狂時代

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 河出書房新社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:阿曽山大噴火 価格:540円

※最新の価格はストアでご確認ください。

最近、40人くらいの人が集まる飲み会やパーティーがあると、その中にひとりくらいは「私、裁判員の候補者通知が送られてきたことがあるよ」という人がいます。1年間で何人くらいの人に裁判員の呼出状が送付されているのか細かい数字は知りませんが、2009年に裁判員制度がスタートされてからこの制度は確実に私の「身近」なものになりつつあるような気がします。

にもかかわらず、やっぱり裁判ってどこか「自分とは関係ない」お話だと思っているのも事実。せっかく裁判の判決や量刑に民意を反映されるようにと導入された制度(ってググったら法務省のホームページに書いてありました)なのに、いざ自分が関わる段にならないと、ねえ…、って、これじゃいかん! と思って、何か裁判に関係した本を読んでみようと思い、本書をダウンロードしてみました。

著者の阿曽山大噴火さんのことは、テレビのワイドショーやどこかのサイトの連載などで知っていました。本書は、阿曽山大噴火氏さんの裁判傍聴記です。裁判でこんなことがありました、あんなことがありました、ということが書かれています。裁判官の描写や、弁護士や検察官の振る舞い、被告人の様子が、阿曽山大噴火氏さんフィルターを通して淡々と書かれています。阿曽山大噴火氏さんによると、テレビドラマで見るような泣き叫ぶ傍聴席の被害者家族や、開き直って悪事を叫ぶ容疑者、「静粛に!」といって木槌を打ち鳴らす裁判官は、どうやら現実にはいないっぽいです。

で、ドラマチックなことがなくて裁判ってつまらないのかと言われると、そうではなくて。ひとつ傍聴記を読み終えると、事件についての感想よりも人間についての可笑しさや悲しさがじんわりと自分の中に折り重なっていくような読後感を覚えました。

この本を読んでも、自分が裁判員に選ばれたときの参考にはならないかな…。でも、この本を読んであってよかった、と、その時確認するんだろうなと思います。

この裁判傍聴マニュアルは、専門用語の説明もあってお役立ちです

体験記ですが、会話も随所にあって、これがいい味出してます

裁判の鬼気迫る雰囲気が伝わる会話…あれ…