こいつらみんなダメすぎる! ダメダメなゲーム会社のダメすぎる日常

公開日:2015/4/3

俺の作ったゲ―ム、クソだってよ。

ハード : 発売元 : 一迅社
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:シナガワ 価格:※ストアでご確認ください

※最新の価格はストアでご確認ください。

 努力が報われるものだというのは皆信じたい。幼いころにはみな、努力をすればそれはいつしか必ずなんらかの形で花開くものであると教えられてきたし、努力とはそういうものであると信じていた、と思う。しかしある程度現実というものがわかってくると、努力というのは必ずしも報われているわけではないし、「努力が必ず報われる」のは単に「報われるまで努力をやめなかった」からである、ということがわかってくる。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉が本当は「健全な精神は健全な肉体に宿れかし」(健全な精神は健全な肉体に宿っていてほしいもんだなぁ、的な意味)であったように、「努力は必ず報われる」は本当は、「努力は必ず報われてほしいもんだなぁ」であるのだろう。

 たくさんの人が家庭や生活、時には己の命すら削りながら、ひとつの作品を作り上げていく。シナリオを書く人、絵を描く人、音楽を作る人、プログラミングをする人…そんな、多種多様な働きをする人たちが協力しあって出来上がるもの、それがゲーム。そんなたくさんの人間の努力の結晶であるゲームをひとことで否定する悲しいことば、それは…クソゲー。

advertisement

 ひたすらちょっとかっこいいことをいろいろと並べてみたが、このマンガは社内の全員がなんらかの形で残念で、作っても作ってもクソゲーを乱発してしまう、そんなどうしようもないゲーム会社を舞台にした、WEBマンガサイト・ゼロサムオンラインに連載されていたギャグ作品である。

 とにかくみんな残念すぎて、出来上がるゲームは「こんな乙女ゲームはいやだ」の大喜利で出てくる答えみたいになっちゃってるし、基本的に反省はしてもみんなそれを次回に活かそうとしない。いくらギャグマンガとはいえ「よく潰れないよな、この会社…」と遠い目をしたくなるまでにみんなダメ。それを時に吹き出し、時に鼻で笑い、時にツボにハマって笑いを押し殺すのに多大な苦労をしながら読んでいるうちに、なんとなく悟るのだ。ああ、努力って方向性間違えるとほんとダメだなあ、と。

 何はさておいて個人的にこのマンガは、衝撃的ビジュアルの作中同人誌をいろんな人に読んでもらいたい。一気に異世界に引きずり込まれます、ぜひ。


基本的にやる気があるのはディレクターだけ(そしてそれは空回り気味)

ゲームに関係なく働く事務員の子ですら残念

グラフィッカーも地味に残念

そんな残念な会社なのに取材にくるところもあるとか…謎だ