業界ものとはひと味違う、漫画家マンガ!<ジャンプ+で連載中>
更新日:2015/4/8
ラフダイヤモンド まんが学校にようこそ
ハード : | 発売元 : 集英社 |
ジャンル: | 購入元:KindleStore |
著者名:緒方てい | 価格:※ストアでご確認ください |
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『ラフダイヤモンドまんが学校にようこそ』を3行でと言われたら、漫画家養成コースのある専門学校を舞台にした作品で、現役高校生漫画家にして講師もしている主人公の高槻先生の漫画への情熱であるとか、周辺を固める女の子がかわいいとか、漫画家幽霊がいてファンタジーな感じもあるとか。結局3行には収まらない感じになるのです。
作者の緒方てい先生が大阪府出身ということが関係しているのかどうかはわかりませんが、とにかく豊富なサービス精神と、少年誌に読者が期待すると思われる要素は全部用意するという決意みたいなものまで感じられて、やはりジャンプで(正確には電子版ですが)連載する漫画というのはひと味違うなと思い知りました。
物語の出だしは、ペンがノリまくった高槻先生が脱稿するところからスタートするのですが、これは同時に作中の連載終了でもあって「ふつうの高校生に戻るんだ!」という決意と共にはじまるのです。それに対して漫画マニアで、よき理解者でもある妹の高槻みなもさん(14)はなんとか漫画を描いてもらいたいと思ってくれるし、また漫画家仲間のところでアシスタントをしていた此花さんの紹介もあって、専門学校の漫画コースで教鞭を執るようにもなる。こうしてタイトル通り、まんが学校にようこそとなるわけです。
高槻先生のクラスには、漫画を描いていることで周囲となじめなかった女の子や、まんが道を志す社会人やら、とどめは足を洗ったヤクザまで集まってきます。ここに冒頭にも挙げた、漫画家の幽霊、天王寺あきらも関わっていわゆる少年誌的な仲間の形が完成するという印象。となると、残る要素は敵ですね。日常系を否定するわけではありませんが、この熱い漫画にはやはり敵が欲しい。
さて、キャラクターたちはなにと戦っているのだろうかと改めて読み返すと、それは漫画を完成させる、漫画を描いて発表し続けることなのかも知れないと気づきます。高槻先生が一番顕著ですが、そもそも連載の終了は不人気によるものだということが後からわかるのです。けなされても、周囲に理解されなくても、好きなもののためにまっすぐに立ち向かっていくという、やや抽象的な戦いをすっきりと描ける漫画力は、緒方てい先生ご自身も漫画を教えているからなのか相当なものでした。
高槻先生の熱い執筆シーンからスタート
本当の敵の正体は、案外早く示されていたのかもしれない…
専門学校で講師をはじめた高槻先生
マンガが好きという気持ちの試験紙みたいな幽霊、あきら