これぞ野蛮人の考え方!「人生とは神が作ったアダルトビデオである」

小説・エッセイ

公開日:2015/4/10

現代、野蛮人入門

ハード : 発売元 : KADOKAWA/角川マガジンズ
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:松尾スズキ 価格:※ストアでご確認ください

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 不幸な少年時代を過ごした人間はいい大人になる。これはその人がどういう人間なのかを見る時に私がこっそり重視していることなのですが(松尾さんの言葉じゃなくてすいません…)本書を読んでみると松尾スズキという人物は相当不幸な少年時代を過ごしていたようです。

 中学時代には唯一いた友達グループから陰湿ないじめを受け、高校時代にはヤンキー社会に溶け込むことに失敗し、さらに言えば最初の就職先もうまく馴染めずに1年で退職してしまったといいますから、彼の人生の前半戦は散々だったと言えるでしょう。

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 そんな経験をしてきた彼が野蛮人となって生きることを選んだのはとても自然な流れなのかもしれません。

 本書の中で彼は岡本太郎・赤塚不二夫・三谷幸喜など何人かのクリエーターについて語っているのですが、その誰もが共通して作品の中にある種の野蛮さを持っているように思えます。

 特に2013年に公開された映画『R100』で一緒に仕事をした時こともあってか、松本人志さんは本書の中で2度登場しているのですが、おそらく松尾さんの思う一番の野蛮人こそが松本さんだったのでしょう。確かにおふたりは似ているところが多いような気がします。

 本書でいう「野蛮人」とは「心がなにものにも縛られていない人」のことなのだそうですが、例えその人の職業がクリエーターじゃなくても野蛮人になることはできると思います。

 そもそも自分の野蛮人としての部分は他人に見せる必要がありません。表向きは日々真面目に生活しつつ、心の中でとんでもない妄想をしたりして過ごすのはとても楽しいですよ~。

 どうやら私は本書を読む前からとっくに野蛮人だったようです…

□構成 4.5
□文章・表現 4.5
□実用性 5
□「ジヌよさらば」観たくなり度 5
□マキタスポーツと見間違え度 5


「かっこよさ」について。誰がその行為をするかにもよりますが、全くその通りです

松尾スズキが三谷幸喜を語っている貴重なページ。ベタ褒めしています

ウィキペディアに間違ったことが書いてあるそうなので直しておきましょう