Web発4コマ! 『中国嫁日記』とも違う、絶望男子と中国娘の“イチャラブ”

2015/4/17

絶望男子と中国娘

ハード : 発売元 : 秋田書店
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:理央 価格:※ストアでご確認ください

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 ポップな色使いが気持ちいい表紙の『絶望男子と中国娘』です。秋田書店のウェブサイト『Championタップ!』の作品で、2年前ならともかく今では数も多くなってきた、ネットから商業への流れで世に出た作品です。帯などのキャッチにもあるように、コミュ障の主人公(絶望男子)が女の子(中国娘)に出会うという導入。

 思わず読んでいてニヤニヤしてしまうような“いちゃラブ”に、コミュ障の主人公の根子太郎くんの動揺ひとり語りを加えたマンガでして、根子くんは結構おいしい思いをしているのですが、ちゃんと動揺したり悶絶したりしていて嫌みな感じがしないのは、全体の雰囲気に対する作者のセンスなのでしょう。この、嫌われる要素がないというのはネット時代の特徴なのかなと思うのですが、類似作品がいくつか思い浮かぶ中でも特に優れているように感じます。

 作りは4コマ形式ですが、最近では当たり前になりつつある、話が連続していくタイプです。1話でハンカチを拾ったことで出会う根子太郎くんと中国の龍龍さん。その後2人で遊びに行ったり、太郎くんの双子の弟が登場したりと賑やかな日常を送りつつ仲良くなっていきます。敵は登場しないし、日常を脅かすような事件もない。ほっこりできる優しい日常が続いていくわけですが、描かれる日常の細かいところが新しかったりします。

 とにかく根子太郎くん、(人混みではぐれたときは持っていなかったようですが)スマホを手放しません。2人で話していても、ファミレスで弟を加えて3人で食事していても、常にオンライン。リアルな会話と同時進行で、チャットで突っ込みを入れたり牽制したりという描写が当たり前に続くのは新鮮でした。

 この作品を読む前は、同じく中国の方と結ばれる『中国嫁日記』が思い浮かんでいたのですが、マンガとしては全然違うものだと思います。本作のヒロイン龍龍さんは、90年代だったら異世界人などが引き受けていた、現代日本の事情に疎いという要素を引き受けているわけで、リアルな意味で異文化などということは全く気にせず楽しめる作品です。


色使いがこなれている、扉のイラスト

2人の出会い。この通り事実上の8コママンガ

ファミレスにて、ネットで同時進行する兄弟の会話

でも最大の見せ場は、ほっこりラブコメなのです