もしかして自分の作品も海外進出できるかも!? ”クールジャパン”にビジネスチャンスあり

アニメ

2015/4/23

クールジャパンとは何か?

ハード : 発売元 : ディスカヴァー・トゥエンティワン
ジャンル: 購入元:KindleStore
著者名:太田伸之 価格:※ストアでご確認ください

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 クールジャパン構想が打ち出されてからずいぶんたちますが、みなさんは“クールジャパン”と聞いて、その意味を正確に思い浮かべることができるでしょうか?

先日、クールジャパン機構が、海外でマンガやアニメなどのクリエイター育成事業を展開する「KADOKAWA Contents Academy」に最大4億5000万円出資するとの発表があったり(3月30日産経ニュース)、日本茶などの輸出を手がける「マエタク」やカステラ製造販売「文明堂総本店」とともに今年アメリカで日本茶カフェ事業を展開、2025年までに50店舗を目指す等の報道もあり(4月6日YOMIURI ONLINE)、クールジャパン構想は着実に展開されているもようであります。

しかし、試しにYahoo!で“クールジャパン”をリアルタイム検索してみると、3月20日から4月19日までの30日間のツイート数は1278件。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)で開催中の「ユニバーサル・クールジャパン・エクスプレス」の期間限定パスチケットについてのtweetや、若干使い方に疑問あり!?なつぶやきも見受けられる中、もちろん政府主体のこのシステムについての言及などもあり、レベルはさまざまなれど、“クールジャパン”に対する関心度がうかがえます。

 そこであらためてのおさらいがわりに、その名もズバリ『クールジャパンとは何か?』(太田伸之/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を開いてみました。著者はクールジャパン機構社長の太田伸之氏。これまで長年ファッション流通業界でマーチャンダイジングを展開してきた実業家です。

いつ、どのようにして始まったの?

 “クールジャパン”とは、“日本のカッコイイ、美味しい、面白い、おもてなしの心”をビジネスで世界に届け、海外で日本ブームを創出する拠点を構築しようという政府の戦略です。その投資資金を供給するために、2013年に官民ファンドとしてクールジャパン機構を設立。アニメやマンガ、デジタルコンテンツはもちろん、日本のモノ(ファッション、食など)やライフスタイルなども投資のターゲットになります。

 ちなみに本書によれば、クールジャパン機構には“日本のプレゼンスを高めることに貢献したい”という志の高い人材が集まり、ファンドだけど決してギラギラしていない、とのこと。

投資先はどのようにして決めるの?

 大きく分けて“持ち込み型”と“提案型”の2つがあり、「こんなことをやりたいので、ぜひ投資してほしい!」と事業内容やスキームを持ち込むと、検討してもらうことができるようです。事業として賭けてみる価値があるのかどうかが精査されるわけですが、あなたの作品や商品を海外に売り込むチャンスとなるかもしれません。

そもそも“クール”って何?

 ひとくちに“クール”といっても、クールが意味するものは幅広く、その定義やイメージは人によってまちまちです。本書にも「どれをもってクールジャパンとすべきか、誰にも定義はできません」と書かれています。「メディア・コンテンツ」「食・サービス」「ファッション・ライフスタイル」という大枠はあるのですが、細かなジャンルは問わないとの記述もあります。しかしクールジャパン機構としては「日本の技を売っていきたい」とのこと。アニメだろうが、音楽だろうが、誰もが「いいね!」と思える“日本ならではの技が感じられるもの”。おそらくそこがキモなのでしょう。

どうやって海外に売り込むの?

 本書では「海外に売り込むときは、束になって攻めること」が力説されています。たとえば、若手デザイナーが単独で海外展開したとしても、残念ながら多くの人々の目にとまることは難しい。しかし、ユニークな作風のデザイナーが5人集まり、百貨店と組んで海外展開にトライするならば、成功の確率はグッと高まるのだそうです。さらに例をあげるなら、茶器や和菓子づくりの職人がそれぞれバラバラに展開するのではなく、日本人の繊細なライフスタイルまでセットにして“シンプルで粋な日本の暮らし”というコンセプトで海外の人々に提案をする。決して弱者連合などではない、“インパクトのあるコラボコンテンツ”という発想がカギを握るというわけです。

 一方で、日本のお家芸であるアニメの場合は、その国に好まれる色や話題、スポットを取り入れるなどの“現地化戦略”が展開されているもようです(『クローズアップ現代』2月23日放送より)。興味深かったのは、イタリア人の好みに寄り添うため『ルパン三世』のルパンのジャケットを、現地調査により赤ではなく青に変更したというくだりでした。サッカーイタリア代表のユニフォームカラーが示すように、イタリアでは青はカッコイイ男の象徴であるからとの理由には、なるほど納得しました。

 まだまだ探求の余地がありそうなクールジャパン構想。興味関心のある方はぜひ、本書を手に取って研究してみてください。


クールジャパン機構の正式名称は「株式会社 海外受容開拓支援機構」。投資によって経済をまわし、日本が元気になりしっかり稼ぐことが本来の目的

本書によれば日本はパッケージのダサさで儲けそこなっているのだとか。緑茶に比べてマリアージュ フレールやTWGのお茶はデザインがおしゃれ。見せ方にも改善の余地あり

技術のある職人こそ、“もっと高く売る方法”を考えるべき。中間業者を減らし、海外ブランドとの直接取引を増やす。それが世界で稼げる日本をつくるとのことです