建築家と運命の出会い! 「和心」に目覚めた女は東京都内に一戸建ての数寄屋を建てられるか?
公開日:2015/5/17
『天才柳沢教授の生活』、『不思議な少年』、『摩天楼のバーディー』。以上の作品などを読んだことがある方は、作者の山下和美先生をどのような人だと思ったでしょう? なんとなく、きりっとした理知的でデキる大人の女性、というイメージを抱いていた…なんて人が多いのではないでしょうか。「こんな作品を書いちゃう、山下先生ってどんな人?」そんな疑問にきっちり答えてくれるのが、本作の『数寄です!』なのです。神秘のベールをぴらっとはぐった、山下先生の意外な素顔とは…!
とっても素敵に人がいい。責任感が強くとても誠実で、というかむしろ誠実過ぎて騙されることなくいつか大損しちゃうんじゃないか、と他人事ながら心配したくなるレベルでの、お人好し。それが山下先生の素顔の一部だったのです…! そんな山下先生が、ひょんなことから建築家の蔵田さんと出会い、意気投合。様々な巡り合わせもあって、「数寄屋(風流な和の家)」を建てるべく七転八倒、その様子をエッセイとして面白おかしく語っている、というのが本作の内容です。
独身女性が家を買うとなるとやはり苦労の連続。さらに「数寄者になるまで数寄屋の敷居をまたがず」と固く決意し、蔵田さんの紹介もあってお稽古ごとに参加しようとするも、極度の上がり症という高い山があり、やっとのことで土地を買えば今度の大敵は予算難。果たして数寄屋計画はどうなるの…!? というのが1巻までの内容です。
下手なフィクションを見るよりもハラハラし通しで、どんどん続きが気になってしまうのは、山下先生のコミカルな語り口もあってこそ。覚悟を決めて、借金を抱え、いざ夢の一戸建て! …続きははたしてどうなるのでしょうか。先生の数寄者企画に応援の心を込めて、続刊を買って応援というのもいいかもしれません(笑)
漫画家の宴会になぜ建築家が? 山下先生が蔵田さんに興味を持って、それが発端
「人生は一回限りだし」山下先生、崖から飛び降りる気分で決意を固めます
「家 建てます」「それも和風ではなく 和そのもの」山下先生の決意を聞いて、蔵田さんの建築家魂に火が付いた…!
山下先生のエッセイの合間に、蔵田さんのエッセイもあります