“旅=人生”の兼高かおるさんが語る「旅から学んだこと」

小説・エッセイ

更新日:2012/3/2

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:兼高かおる 価格:972円

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旅好きの私“ぷりまべら”は、旅番組も大好き。いくら旅が好きだからといって、そうしょっちゅう出かけられるわけではないですし、お家でのんびりと旅番組を見るのはなかなか楽しいものです。

最近、また旅に出たくなってしまった“ぷりまべら”は、旅番組のパイオニア的存在であるテレビ番組「兼高かおる 世界の旅」を1959年から1990年まで続けた兼高かおるさんの著書、「わたくしが旅から学んだこと」を読んでみました。

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31歳のときから31年間、この番組を手がけてきた兼高さんは、現地での取材、コーディネート、プロデューサー兼ディレクター、ナレーターと一人何役も務め、1年の半分を海外で過ごしていたそうです。取材した国は150ヵ国、その移動距離は地球180周分、「生活の99パーセントの時間をこの番組に費やしていました。」というのですから、この番組は、兼高さんの人生そのものと言ってもいいのかもしれません。

本書では、兼高さんがこの番組に携わるようになったいきさつから、いかに自由な発想で、積極的に良い番組作りに取り組んでいったか、また外国でいかに振舞ってきたか等、さまざまな事柄が語られます。そして、海外に出て知った日本の良さ、旅の魅力、地球規模の視点を持つことの重要性等、世界を飛び回ってきた著者ならではのメッセージが伝えられます。

「行って、見て、出会って、感じたい。まるでドラキュラのように、見るもの、聞くもの、すべてから吸い取って、細胞を活性化させたい。」という兼高さん。80歳を過ぎた現在も、好奇心の塊であり、まだ訪れたことのない国へ興味はつきないそうです。根っからの旅好きですね。

旅気分にひたりたくて読み始めた本でしたが、旅の魅力が十分に伝わってくるのはもちろんのこと、エネルギッシュな兼高かおるさんの生き様に触れることができ、お得な一冊でした。読み終わった頃には、「明日もがんばろう!」という前向きな気分になれますよ。

人生3分割。学んで、尽くして、あとは自由にと考えている著者。いよいよ人生の残りの3分の1。自分のためだけの時間を楽しむつもりだったそうですが…

原稿を執筆中の著者。一度、書き上げた原稿を数日間かけてじっくり手直しするそうです

英字新聞には必ず目を通すという著者。背筋を伸ばし、新聞を読む姿が美しいですね