友人関係、恋愛、部活…青春の全てを味わえる!

更新日:2011/9/12

ひとひら (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:桐原いづみ 価格:500円

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自分じゃない誰かになって、新しい自分を見つける。そんな、演劇研究会で演技をするのがメインとなる、本作品。
  
どうしてか、青春を感じる物をふと読んでしまう私ですが、こんなにも実体験に近い青春を謳歌している作品は、類稀なのではないでしょうか。

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部活動に熱心になり、知らず知らずのうちに恋愛をしていて、ライバルが現れて、中学時代からの親友といざこざがあって…と、もちろん演劇部に特化はしていますが、学生生活全体のバランスが取れていて、『これぞ青春!』と呼べる作品の一つだと思います。
  
主人公の麻井麦は、緊張をすると声も出せなくなってしまう極度のあがり症。そんな彼女は、知らない人と話すだけでも苦痛に感じてしまいます。やや強引に演劇研究会に入部させられ、入部届を出してしまったが最後、研究をするわけではなく演技をするのがこの部の活動であり、その舞台に立たされることになります。
  
自分の意志の弱さと流されやすさに後悔しつつも、とりあえずの雰囲気で演劇を覚えていく麦。しかし、時折声帯麻痺が起こってしまう部長の演劇が好きだという強い意志や過去、それから優しい言葉により、麦は自分と向き合うようになり、やがて演劇の世界にはまっていき…。
  
どんどん成長していく麦の姿には、共感と、自分も頑張らなくちゃと励まされる部分があり、自分を好きになるということが、どんなに素敵なことで大切なのか教えてくれる作品ですので、騙されたと思って一度読んでみてください。最後まで読んだ時の満足感は、とても忘れがたいものがあります。

時折、気になるタイトルがあるのが特徴。私は第6幕の「麦、逃げる。」というタイトルがお気に入りです

高校入試発表日。緊張のし過ぎで声がでない麦

麦が高校を選んだ理由。なんとなくで決める人もいるのですから、これも立派な理由ですよね

これから始まる高校生活に胸を弾ませていますが、さて、いかに

予定通りといいましょうか、自己紹介では恥ずかしい一面も。でも、一応、声を出せたからOK?

窓から飛び降りる甲斐。彼はなぜ必死に逃げるのでしょうか

演劇研究会の三人組。演劇部とは別の組織ですが、存在感はたっぷりあります (C)桐原いづみ/双葉社