家族・結婚・夫婦・親子・戸籍の常識が非常識に見えてくる?!

コミック

2011/2/3

あなたも奔放な女と呼ばれよう

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 祥伝社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:内田春菊 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

93年に「ファザーファッカー」が出版されたときは、素直にたまげた。

読んだら不快になりそうな予感がしたので読まなかったが、著者がこの本でどうしても訴えたいことがあるのだろうということは感じたので、以来、内田春菊ってどんな人なんだろう、という好奇心がどこかにあった。

で、電子書籍で手軽に作品を検索して読めるようになったので、かつての好奇心を手軽に満たそうと思ったわけです。

タイトルの「あなたも奔放な女と呼ばれよう」は、奔放な女のレッテルを貼られている内田春菊が自分の体験を語りつつ、「これを奔放というの?」と疑問を投げかけるかたちで構成されている。子供は4人(未婚中に1人、前夫との結婚中に他の男性との間に1人、現在の夫との間に2人)いるというだけで、一般通念的には十分奔放の名に値しそうだが、“奔放さ“がこの本のテーマではない。

たとえば、上記のような結婚歴で子供もあり、しかも最後に結婚した男性とは(ある理由があって)離婚したのちも同居している、という、部外者にはややこしくてわかりにくい家族構成は、当然のことながら古式ゆかしい日本の戸籍制度とは相容れない。戸籍の扱いは、男性の戸籍に女性がはいるというかたちになることが多いため、女性が結婚離婚を繰り返すと、戸籍上では実の子なのに子供の養母と記載されたりと、おかしなことがいろいろ起きてくる。

世の中には内田春菊のような体験を持つ人もいるだろうが、自分の体験、プライバシーを公開してまで戸籍制度の矛盾を指摘する人はいないので、そんなことまで知る人は少ないし、ゆえに、夫婦別姓の議論ほどには、戸籍制度を見直そうという議論は出て来ないような気がする。そういう意味で、戸籍制度が抱える矛盾について身をもってわかりやすく解説してくれた著者に感謝したい。ほかのストーリーでも、多くの女性が感じていそうな疑問を取り上げている。

目次を見ると「そりゃ、奔放でしょう」と思えるものもあるが、「そんなことがどうして奔放なの?」というものも。「常識は1度疑ってみよう」というメッセージだと考えるとわかりやすいかも

内田さんちの戸籍には、「自分の生んだ子供の養母でもあり実母でもある」となっているそうです

「『おまえ、一体何やりたいの?』と言われたのがきつかった」、「仕事の足引っ張られるのがつらい」と語る著者。立場も環境も全く違うけど、なんだかわかる気がするなあ (C)内田春菊/祥伝社