美しい雪山の風景と著者の熱い想いに触れられる。勇気をもらう、ノンフィクションエッセイ

小説・エッセイ

2011/2/12

一歩を越える勇気

ハード : iPhone 発売元 : Sunmark Publishing
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:600円

※最新の価格はストアでご確認ください。

なにかを頑張ることと祈ることは似ています。一生懸命打ち込むのはそれ自体がひとつの宗教。だから時には、ばかじゃないの、と言われてしまうこともあるけれどそれはたぶん信じるものが違うというだけの話。

栗城史多さんにとってはそれは登山で、無謀に見えても彼にとっての真実はそこにあるんだなあ、ということがひしひし伝わってきた一冊です。

世界七大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑む…といわれても、正直、登山素人の私にはなんのこっちゃよくわかりませんでした。が、この電子書籍、そんな素人のわたしにもとってもとっても親切で、冒頭の著者のインタビューからはじまり、雪山の風景、登頂までの道のりなどを写真・動画で見せてくれるのです。しかも著者の語り口はとてもシンプルで身近。なので、興味ない、わからない、で切り捨てることなく、冒頭からぐいぐい引き込まれていきました。

登山の詳しいことはよくわかりません。でも、「やろうと決めたことを必ずやる」ことがそれだけでとっても難しいのは知っています。

〈「なぜ山に登るのか」と聞かれたら、「希望を持ちつづけるため」と答える〉

〈誰にでもいえることだが、生きていること自体が冒険なのだ〉

〈挑戦しても、後悔しても、挑戦しないで後悔しても、必ずリスクがある〉

などなど、けっこう、そうだよね~とうなずきながらも実行をともなって言うって難しいよな、と思う言葉がたくさんです。無謀だ、と笑うことは簡単ですが、わたしは、栗城さんの姿勢にけっこうじんときました。

おそらくそのひとつには、栗城さんがゼロスタートの人だったからなのだろうなと思います。特にスポーツマンだったわけでもない彼が、やると決めたとき、方向が定まったときに全力でそのための努力をしたということはやっぱり価値があるし、「夢は必ず叶う」は嘘かもしれないけれど、一歩がなければどこにもいけないのも事実。ちょっと夢にくじけている人、頑張る勇気がほしい人におすすめ。

個人的には、電子書籍ならではの美しい写真と動画もとても楽しめました。こういうのを見ると、電子の意義というものを感じます。

冒頭には著者インタビューが動画で。ほかにも、登頂したときの中継映像や静止写真など、鮮やかな映像がもりだくさん

文中にある「*」をタップするとこんなふうに注釈が

それ以外にわからない言葉があれば、すぐに検索可能。なんとWikipedia検索も。マーカーすれば、しおり機能からすぐ引き出せます