釣ってみてわかった。詩ってこんなに楽しく遊べるものだったんだ
公開日:2011/11/12
詩を釣り上げる、っていう発想が面白いですよね。
え、何がって、この『谷川』のことです。これは、詩人・谷川俊太郎さんの詩集。といっても、ただ詩を集めたっていうだけじゃないんです。水の流れる音、鳥のさえずりをBGMに、川に流れてくる言葉を拾い上げるというしかけのアプリです。
「うんこ」っていう文字が流れてきたときには、「あんまり釣り上げたくないなぁ」と、ちょっと躊躇しちゃいました。でも、この流れてくる文字を釣り上げないことには詩の全文を読むことができないのですから、必死になりましたよ。
釣り上げたのは、新作3篇を含む33の詩。大漁っていってもいいんじゃないでしょうか。 まさにことば遊び、といった「おならうた」とか、処女詩集であり、代表作のひとつともいえる「二十億光年の孤独」など、釣り上げた詩をひとつひとつ読んでみて、あらためて谷川俊太郎さんの作風の幅広さに感心すると同時に、詩っていいな、って素直に思えました。
谷川さんの詩は、心にストンと落ちてきます。そしてそれを手のひら収まるiPhoneにいれておいて、何度でも読み返したり、声にだして読み上げたりするのが楽しいのです。…意外だったけれど、詩とiPhoneって、相性がいいのかもしれません。
ところで、このアプリのお楽しみとして、33篇を全部釣り上げると、そのあとに詩人からのメッセージが届きます。どんなメッセージかは、もちろん、全篇制覇してからのお楽しみですよ。
右上の端っこにある釣り竿で、流れてくる詩の断片を釣り上げます
釣り上げた言葉は、ほら、魚みたいにピチピチ
画像には写ってないが、各詩の最後には小鳥のイラストがついていて、それをタッチすれば、その詩についてツイートすることができる
釣り上げた詩たちは、「かんさつ」というコーナーに、魚拓を並べるように収納されている。イラストをタッチすると、それぞれの詩を繰り返し読むことが可能