新宿が舞台のハードボイルドエンターテイメント小説
更新日:2012/3/2
新宿西口の公園で起きた爆弾テロ。
その事件に巻き込まれてしまったアル中のバーテンダーである主人公が、その爆弾テロの謎を解くために密かに動き出す。史上初の江戸川乱歩賞・直木賞のダブル受賞作品。
いつも恋愛小説恋愛漫画ばっかり読んでるので、たまにはこんな本も読んでみる。
新宿の西口公園で爆弾テロ事件があったかと思うと、主人公がなにやら動き始め、見知らぬ女の子が突如現れ、なぜか主人公が警察に追われ始め…って物語の早すぎる展開にあれよあれよと読者は巻き込まれ、気づけばあっという間に読み終わってしまった。ヤクザにホームレスに拳銃に警察に歌舞伎町で…ってまさにこれぞハードボイルド小説!! この物語の舞台である新宿という街が物語をよりかっこよくしてます。
登場人物一人一人が不思議とやけにかっこいいし、交わす台詞も一つ一つがなんか洒落てる。主人公が元東大生の過激派で、プロボクサーを目指しててとある事件に巻き込まれ今はある理由から名前を変えて新宿二丁目のバーテンダーに…ってなんかちょっとベタすぎるよ!! でもこのベタさもこのエンターテイメント小説の一つの良さ。
爆弾テロ事件と主人公の過去と現在とが少しずつ繋がっていき、主人公を取り巻く人間ドラマも素敵で、ちょっと感傷的になります。私なんかより、グループサウンズの時代を生きた人なんかはもっと共感できるんじゃないかなぁ。
娯楽小説を読んでスッキリしたい人にオススメです。
アル中のバーテンダーの何気ない1日がはじまる
新宿の西口中央公園はまだ平和…
この小さな女の子との出会いが、実は運命的なものだった