まるまると太った指導者達にとって「300万人の餓死」という惨状は他人事なのか
更新日:2011/9/8
「この本は詩集ではなく、北朝鮮のルポである」
金日成総合大学を卒業し、朝鮮労働党の作家として金正日が「わたしの作家」と呼ぶほどに寵愛を受けていた北朝鮮の詩人であった著者。彼は最も貧しい国に最も裕福な王がいることを知って2004年に脱北。1995年から3年間で300万人の人民が餓死したという悲惨な事実をこの作品で訴えて、韓国の若者たちに衝撃を与えるベストセラーになったそうです。
北朝鮮人民の貧しい状況は、ニュースなど報道でなんとなく理解していたつもりでしたが、この詩で語られている惨状は、そんな生易しいものではありませんでした。
分厚い木の皮を苛性ソーダで煮てつくるご飯、死んだ父親のために家族3人の小さなパンを4つに取り分ける母、食い扶持を確保するために自らを口減らしした孫娘・・・飽食の中に生きる私たちにとって、想像しがたい現実がこの詩には描かれています。
体制がほころびはじめて、ようやく明かされはじめた真実。恋愛やファッション、ダイエットのことしか頭にない平和ボケした頭や心に、生きるということはどういうことなのかを問いかけてくれる作品です。
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