リア充になって恋人を作りたい! 切実に!!-『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』

ライトノベル

更新日:2011/11/24

おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 富士見書房
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:村上凛 価格:450円

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おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!/村上 凛/富士見書房

ネクスト ファンタジア大賞金賞作品。内容は、タイトルからご想像のとおり。
オタク趣味でモテない主人公「オタク趣味だった中学から心機一転、高校では生まれ変わって恋人をつくり、リア充になりたい」

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ギャルでスイーツ(笑)なヒロイン「好きな男子がオタク趣味なので、私もオタクになりたい」

お互いに利害が一致(というか主人公が弱みを握られ)、力を貸し合い、リア充とオタクを目指す、というわかりやすいストーリーです。

ちなみに、「リア充」とは「リアル(日常生活)が充実している、うらやましい人々」のことですね。「私はリア充である!」と胸を張っていえる人って、どれくらいいるのでしょうか。

オタクな主人公に真実が次々と突きつけられるさまが痛々しい。異端や変わり者が排除される、“出る杭は打たれる”文化の日本にあっては、オタク宣言するのは相当勇気が要ることですが、それでも、オタク属性でありながら「キモがられない」人たちだって実際にいるんですよね。「オタクだからキモイのではない。キモイからキモイのであって、オタク属性を責めるのは、ただの口実」なんて、鋭い意見があったりもしますが。

近年、小・中・高の入り口でのつまづきに注目が集まっています。最も知られている言葉であろう小学1年生の「小1プロブレム」(集団行動等ができない小学1年生)ですが、中学1年生では「中1ギャップ」、高校1年生で「高1クライシス」というものがあります。いずれも、1年生でつまづき、学校生活に支障をきたすことを表しています。

特に「小1プロブレム」は、厚労省の保育所と文科省の幼稚園それぞれで行われる保育内容にどうしても違いが生じ、小1で一緒になった子どもたちの育ちに差があるからだといわれており、この段差をなくすために保育所・幼稚園と小学校間でさまざま、共同の取り組みが実施されています。

同様に、やはり接続の段差をなくすために、小学校と中学校の9年間を一貫化した小中一貫教育や、中高3年ずつを6年制にした中高一貫教育(中高一貫校化)、また、私学では幼稚園から大学までをエスカレーター式にするといった大胆な接続により、進学実績を挙げ、人気を集めるとともに、幼・小・中・高・大間の段差がなくなってきています。

本作の主人公は、いわゆる「高校デビュー」を目指しますが、メリットばかりが注目される中高一貫校では、例えば、劇的な環境変化が乏しくなる分、こういった“生まれ変わり”が難しくなるとも考えられます。

とはいえ、人は、本人の決心により、いつでもどこからでも生まれ変われたりするもの。
本作の主人公は、どのようにサナギを破っていくのでしょうか。


あきらめたら そこで 試合終了ですよ

「私服がオッサン」…グサッ

「オタク変態キモい! ロリコンキモい!」…グフッ

30秒はややキビシイので、せめて40秒で説明させていただいてもよろしいでしょうか

認めたくないものだな、現実というものは…