しゃべりのプロは、文章もプロ級。真面目に、痛烈に、面白い局アナのエッセイ

小説・エッセイ

更新日:2012/3/5

局アナ 安住紳一郎

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:安住紳一郎 価格:615円

※最新の価格はストアでご確認ください。

今、一番気になる男性『安住紳一郎』。 恋愛対象として気になる…ではなく、テレビに出ていると、つい手を止めて見たくなる一人。

何故に今、一番なのか? 先月3月に日本テレビアナウンサーの羽鳥アナがフリーに転身したからです。TBS看板アナウンサーの安住アナも羽鳥アナと同じくらいフリーへの注目が集っている一人。羽鳥アナのフリー転身はきっと安住アナに大きな影響を与えたと思うのです。だから、今、一番気になるのです。

advertisement

そんな安住アナが2002年11月号から2005年6月号までテレビ雑誌「テレパル エフ」で連載したものをまとめたものです。現在37歳の安住アナが30歳前後で書いたエッセイです。手を止めてテレビに映る安住さんを見る感覚で、一気に読んでしまいました。

自分のことはもちろん、テレビ業界の裏話や、自身の苦学生時代の話、家族のことなどが書かれています。家族のことでは結婚して高校教師をしている2歳違いの姉とは全く会わず、姉を8年振りに見たのが何故か日本テレビの『ズームイン!! 朝!』。女子大からチアリーダーのキャプテンをしていて、卒業後も続けていたらしく、この年に日本代表に選ばれ、なんと世界チャンピオンになっていたという大ニュース。ちなみに姪っこが生まれたことも年賀状で知ったとか。

他には、安住さんのオタク振りも書かれています。番組再編などで各局の番組で担当替えになり、アナウンサーが番組を卒業する時の最後のシーンだけを集めた自慢のコレクション。名づけて『アナウンサー最後のOA担当スペシャル』。15秒から30秒くらいの最後のコメントはドラマなのだそう。このマニアックなコレクションを何度も見返す安住アナ…変態? イヤ、本人は仕事熱心だと話しています。

『言葉』を扱う職業なので文章もとっても上手い。文章が上手いというか、テレビを見ている感覚で読めるので、一気に引き寄せられる文章です。一目を気にする臆病な一面、自分が大好きだと宣言する部分、仕事熱心(ワーカーホリック)で、ちょっとだけ屈折した感じが安住アナを作っているんだと思いました。ますます、目が離せない存在になりましたよ。安住アナ。

立ち読みでも読める、このエッセイのプロローグでは連載をスタートするきっかけが書かれています。ここを読むだけでも中身をすぐに読みたくなります

子供の時の写真。写真の横に書かれているコメントにも注目! 「目が…」

まだ、初々しいですね。安住さん。失敗談やテレビの裏話には誰しも興味がありますよね

自宅にあるビデオ棚。マニアックなものがいっぱいありそうですね