度肝を抜かれる内容と構成。「劇団ひとり」ならではの1冊

小説・エッセイ

2011/11/24

カプチーノを飲みながら

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:eBookJapan
著者名:劇団ひとり 価格:762円

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「憑依芸人」とも呼ばれる劇団ひとり。あの独特の語り口、あまりに真剣すぎるひとつひとつのネタ、お笑い芸人を越える演技力。彼の魅力が詰まっている1冊、と思いきや、そこがアイドル本とは違う「ひとりワールド」。とっつきにくいような、それでいて読み終わると強烈に印象が残りなかなか忘れられないという、ミラクルな1冊に仕上がっています。

巻頭こそ魅力的なジャニーズの写真集のようなスナップが続きながらも、本文は「劇団ひとり」が自分の生み出したキャラと対談するという手法。彼の演技力が文面でどこまで出るか? というところが読みどころでしょうか。何かこう、小学生にヘーゲルを突きつけるような、そんな唐突さというか、「深いものがあるようなんだけど全然わからない」というワールドに最初から読者を激しく引きずりこみます。

彼の芸を見たことがない人が本書を手に取ったら、たぶん数ページで手放してしまうかも。というぐらい、展開されている世界が強引で不可思議。まさにそこが彼の狙うところでしょうか。すでに「劇団ひとり」のキャラを把握し、愛しているファンには、文面からそこはかとなく漂う緻密な展開に、ひとつのコントの脚本の根っこを見るような気持ちになるはず。普段「書く職業」の文章を読みなれている輩には、なかなかとっつきにくいかもしれません。

「伝説の最強ボクサー『タイソン大山』」、トイレットペーパーを体中にまきつけたような「お掃除の達人『クリーン相沢』」、真っ裸の「奇跡のダンサー『サム』」ら、キャラクターのオリジナリティは、これまでの芸人ではありえないような人物ばかり。その発想と、それぞれのキャラクターにこれだけ「話をさせる」想像力は「天才」と呼ばれる由縁かも。彼のコントに「尋常でない才能」を感じた人向けな1冊。1冊そのまま、「劇団ひとり」のワンダーワールドといっても過言ではありません。

巻頭はミニ写真集。ちょっと素敵な風です

強烈なキャラクターと「劇団ひとり」とのインタビュー。豪快なキャラが続きます

途中には半生を綴った漫画もあり。わかりやすい

こうしてみると普通の人みたいだけど、舞台での迫力がすごい彼 (C)劇団ひとり/太田出版