若者に夢をもつことを強要するなと主張する社会学者のピースボート体験本!

ビジネス・社会・経済

2011/11/30

希望難民ご一行様〜ピースボートと「承認の共同体」幻想〜

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 光文社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:古市憲寿 価格:599円

※最新の価格はストアでご確認ください。

希望難民-「ここよりも良い場所がある」「今の私よりも輝く私がいるはずだ」という現実と希望のギャップによって苦しむ人のことを筆者はこう呼んでいます。そしてその希望を冷却すること、すなわち“希望難民”化した若者を諦めさせたほうがいいというのが本書の提案です。

「若者を諦めさせろ」というとすぐ「若者はとっくに諦めている」と反論が返ってきそうですが、エコ志向、地元志向、安定志向など消費からの諦めはあっても、将来の夢や社会的地位の上昇は諦めていないというのが、筆者の反論です。

たしかに、若手社員の人事面談をすると、自分はどれだけ能力が高くて素晴らしい仕事をしているということを本気で(面談のためだけでなく)ものすごくアピールする社員の割合が増えているという話をよく聞きます。そういった意味での上昇志向は逆に強まっているかもしれないですね。だから上司の飲み会は行かずに自分で勉強し、スキルを高めようとする若者が多いのかもしれません。

本書では“希望難民”が増える理由の一つに、メリトクラシー(業績主義)と呼ばれる仕組みが機能しなくなってきていることを挙げています。これは、端的にいえば、“いい大学をでて、いい会社に入って、頑張って仕事をすれば結果が出て幸せになれる”ということが機能していないのです。今はそこそこの大学を出て、そこそこの仕事をしていればいい方かもしれません。しかし、受験をしていたり、社会人になっても夢を追いかけることを強要することは希望難民を増やすと指摘しています。

社会学者でがある筆者が実際にピースボートに乗り、“このような問題意識の中で、コミュニティは若者を救うか? あきらめることが大切!” の視座を軸に、若者がどのように変化していくのかを体験によって描いた作品。3ヶ月も船に乗っていただけにリアリズムがあり、今の日本の縮図かもしれないと感じました。

自分はこの“希望難民”ではないかと感じている人は多いと思います

ピースボートのビジネスモデルについてもわかりやすく解説されています。参加者は若者だけでもないんですよね

1973年の石油ショック、1991年のバブル崩壊を経て、日本の社会はグニャグニャした社会に!

村上龍さんのこの言葉、ヒットしましたよね!